他行はどんな状況で、どう戦略を遂行しようとしているのか。地方銀行はとかく他行の先例を見ながら自行の経営戦略を考える意識が強かったのかもしれない。だが福田には最早、「そんな悠長なことはやっていられない!」とでも言いたげな危機意識と強いリーダーシップがあったようだ。
山口FGが誕生してもうすぐ15年、山口銀行北九州支店が北九州銀行となって、もうすぐ10年を迎える。現在、山口銀行と山口FGの動向は、ふくおかFG、西日本FGなど関門海峡を隔てた北部九州の金融統合の動きにも陰に陽に影響を与えている...
「都道府県魅力度ランキング」では6年連続最下位で、一見するとパッとしない茨城県。常陽銀行は、その茨城県内のトップ地銀として圧倒的な存在感を持つ。その特徴は十分には伝わっていないが、沿革・歴史を見ると豪快ともいえるM&Aを繰り返してきた。
全国の地銀には通称“ナンバーバンク”と呼ばれる金融機関がある。新潟の第四銀行、長野の八十二銀行、岐阜の十六銀行、三重の百五銀行、香川の百十四銀行、長崎の十八銀行、そして明治11年、宮城で営業を開始した第七十七国立銀行が源流の七十七銀行だ。
日本各地の「地銀」のルーツをたどってみよう。そのM&A―合従連衡の歴史をひも解けば、銀行や金融経済の成り立ち、日本の伝統産業、商業の集積の移り変わりなども見えてくる。第1回は「北海道」。北の大地には、北海道銀行と呼ばれる組織が2つあった。