キーとなる金融機関は山口フィナンシャルグループ(YMFG)<8418>だ。YMFGよりむしろ、山口FGのほうが通りはいい。
山口FGはもともと山口銀行と、広島市に本社を置くもみじホールディングス(もみじ銀行の当時の金融持株会社)との間で、2006年に行われた株式移転によって誕生した。そのため当初、山口FGとしては、もみじ銀行を孫会社と位置づけていた。
だが2007年に、もみじホールディングスはもみじ銀行に吸収合併される。そのため、もみじ銀行は山口FGの子会社となった...
「都道府県魅力度ランキング」では6年連続最下位で、一見するとパッとしない茨城県。常陽銀行は、その茨城県内のトップ地銀として圧倒的な存在感を持つ。その特徴は十分には伝わっていないが、沿革・歴史を見ると豪快ともいえるM&Aを繰り返してきた。
全国の地銀には通称“ナンバーバンク”と呼ばれる金融機関がある。新潟の第四銀行、長野の八十二銀行、岐阜の十六銀行、三重の百五銀行、香川の百十四銀行、長崎の十八銀行、そして明治11年、宮城で営業を開始した第七十七国立銀行が源流の七十七銀行だ。
日本各地の「地銀」のルーツをたどってみよう。そのM&A―合従連衡の歴史をひも解けば、銀行や金融経済の成り立ち、日本の伝統産業、商業の集積の移り変わりなども見えてくる。第1回は「北海道」。北の大地には、北海道銀行と呼ばれる組織が2つあった。