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4630万円誤振込で判明!フロッピーは、なぜ生き残ったのか?

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古いシステムの方が使い勝手は上、だから生き残る

「なぜ40年以上も前の規格のまま使い続けているのか?」と不思議に感じるかもしれない。これもまた当時のIT事情による。最近の中小企業では業務用のアプリやクラウドサービスをカスタマイズして利用するのが当たり前となっていて、OS(基本ソフト)がバージョンアップすれば使用環境もアップデートされる。外部記憶媒体も更新される。

1970〜80年代はそのようなアプリや、ましてやクラウドサービスなどは存在せず、専門業者に依頼して一からシステムを構築する完全な「オーダーメード」だった。オーダーメードだから使い勝手はその会社に最適なものとなっており、現場で更新の必要性は感じられない。むしろこうした既存のシステムを使い続けるために、1970〜80年代の中古パソコンが高値で取引されているほどだ。

それでも顧客や取扱商品、拠点などの数が増加すればデータ量も増え、FDでは対応できなくなる。だが、人口が増えない地方自治体や急成長しない中小企業が数値や文字だけのデータを処理しているのなら、FDで十分に足りるのだ。

現在も通信販売などでFDが盛んに販売されている。一方、CD-ROM/RAMやMDといった後発の光ディスクの方が出品点数が少ない。これは光ディスクが本格的に普及した1990年代以降は中小企業で安価な業務用アプリの導入が進み、システム更新に伴いクラウドなどへ移行して光ディスクを利用する企業が減少したためとみられる。

音楽用のMDが入手困難になる一方、それよりも古いカセットテープが容易に入手できるのと同じ傾向と言えるだろう。

ちなみに今回の振り込み事故はFDのせいではなく、人為的なミスだ。仮にデータのやりとりがフラッシュメモリーやインターネットであったとしても防げなかった。IT事故防止の最後の砦は、いつになっても「人」なのである。

文:M&A Online編集部

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