「ウルフクリニック」が破産 負債総額は債権者1317名に対して4億円
「ウルフクリニック」の名称で男性専門の医療脱毛クリニックを運営していたTBIは9月6日、東京地裁から破産開始決定を受けた。負債総額は債権者1317名に対して4億413万円。
(株)テックアット(福岡市中央区、登記上:東京都新宿区)は9月5日、東京地裁に破産を申請し同日、破産開始決定を受けた。破産管財人には足立学弁護士(東京富士法律事務所、東京都千代田区麹町3-3)が選任された。
負債総額は債権者約400名に対して約22億円。
ECサイト運営を主体に、当初はホテルや商業施設等の内装設計事業も併営していた。2020年6月には家具ECサイト「TOKYO MODERN(現:Hommy)」を開設したが、「新型コロナウイルス」感染拡大を背景に一時事業活動が停滞したこともあり、2020年9月期の売上高は約3000万円にとどまり、約5000万円の赤字を計上した。
2021年9月にネット通販限定商材(D2C商材)を中心に取り扱う体験型美容商材ストア「new me(現:canme)」福岡天神店をオープンし、新宿マルイやイオンモール大阪ドームシティなどにも店舗を展開。同店舗は、商品説明から購入までワンストップで対応できることを強みに、無料体験やインフルエンサーも活用し、実店舗とECサイトの融合によるプロモーションを展開していた。また、人気セレクトショップなどとのコラボにより知名度をあげていく一方で、投資家からの出資等を募り、規模拡大を目指していた。
しかし、当社の店舗スペースを使用し自社商品を陳列する顧客企業に対し、前受金として陳列費用を請求する代わりに、販売できなかった商品は当社が買い取るという売上保証をしていたところ、陳列期間中に販売できない商品が多数発生し、買取費用が膨らんだ。高金利での融資を受けて凌いでいたが、売上低迷が続き、2023年7月末には代表者以外の役員全員が辞任していた。
さらに、8月5日にオープンした中国の有名ファッションブランドとのコラボショップが同月下旬には休業するなど、先行きへの懸念が高まるなか、8月30日には新宿マルイ店に「閉店のお知らせ」を掲示し同日、全店舗を閉店していたことが発覚。事業活動は停止状態となり、投資家や顧客企業からの問い合わせが相次いでいた。
なお、破産管財人は、破産手続開始時点において現存する委託商品について、委託会社の所有権を確認でき、返還可能な状態にあるものは返還する方針で、商品返還については、破産管財人のHPに案内が掲載されている(https://www.asahi-net.or.jp/~w...)。
※(株)テックアット(TSR企業コード:132412942、法人番号:2010701038303、福岡市中央区大名1-3-29、登記上:東京都新宿区西新宿2-6-1、設立2019(令和1)年10月、資本金1億6963万円)
「ウルフクリニック」の名称で男性専門の医療脱毛クリニックを運営していたTBIは9月6日、東京地裁から破産開始決定を受けた。負債総額は債権者1317名に対して4億413万円。
「スマート脳ドック」などを手がけるスマートスキャンは4月28日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し同日、監督命令を受けた。負債総額は債権者254名に対して7億6130万円。
シカゴピザ(大阪府茨木市)は3月14日、事業を停止し、破産手続きを片岡牧弁護士(堂島法律事務所、大阪市中央区)に一任した。負債総額は債権者約200名に対して約15億円。