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老舗レコード店「帝都無線」から会社分割した「ミュージック・テイト」が破産

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LPレコード(※画像はイメージです)

(株)ミュージック・テイト(新宿区)は8月23日、東京地裁から破産開始決定を受けた。破産管財人には望月克也弁護士(京橋法律事務所、中央区銀座1-16-7)が選任された。
 負債総額は約1億2000万円。

 老舗レコード店として有名だった「帝都無線」の運営会社から会社分割により設立。「帝都無線」の一部店舗を引き継ぎ、都内で出店していた。落語や浪曲、演歌専門のCDショップとして知られ、愛好家らを中心に根強いファンを持ち、2009年10月期には売上高約6億7000万円をあげていた。
 しかし、その後はCDの流通低迷などに伴い、減収が続いた。このため、店舗事業のスリム化を進め、近年は西新宿の1店舗体制で営業する一方、販売元から委託を受けてポップス歌手のコンサート会場での物販事業にも注力していた。
 店舗では落語家による寄席やサイン会などのイベントを開催するなど、新規ファンの掘り起こしや需要の訴求を図っていたが新型コロナウイルス感染拡大の影響で、コンサートの中止や延期が相次いだほか、店舗でのイベントにも影響し2020年10月期以降は売上高が2億円を下回る水準で推移していた。
 雇用調整助成金の活用や、ゼロゼロ融資を受けていたが厳しい経営が続き、2022年には営業存続のためクラウドファンディングによる支援を募ったものの、業況が改善せず2023年8月に事業を停止していた。

※(株)ミュージック・テイト(TSR企業コード:297510100、法人番号:8011101037303、新宿区西新宿7-8-3、設立2004(平成16)年5月、資本金3800万円)

    東京商工リサーチ「TSR速報」より

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