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倒産企業のメインバンク調査、地銀が1,457社で最多

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倒産企業のメインバンク調査

 各年度(4-3月)に倒産した企業(負債1,000万円以上)のメインバンクを分析した。2018年度は、地方銀行が1,457社(構成比32.7%)で最多。次いで、信用金庫が1,251社(同28.1%)、都市銀行の1,020社(同22.9%)、第二地銀の498社(同11.1%)、信用組合の132社(同2.9%)、その他の93社(同2.0%)の順。
 2018年度末(2019年3月末)の各業態別メインバンクの取引社数を分母に、倒産企業数で割った「倒産比率」は、信用組合が0.39%で最も高かった。次いで信用金庫0.38%、第二地銀0.33%、都市銀行0.29%、地方銀行0.24%、その他0.23%の順だった。
 信用組合、信用金庫と規模の小さい企業を主力とする業態の倒産比率が高まる事情は含むことが必要だろう。地方銀行の倒産企業数は最多だったが、倒産比率は低かった。

倒産企業のメインバンク調査
(c)東京商工リサーチ調べ

 国内の金融機関は、マイナス金利後の貸出金利の低下や人口減少、競争激化など経営環境が年々悪化している。地域金融の柱として地元地銀や第二地銀、信金、信組が密着した営業を続け、高いシェアを確保する金融機関も多い。一方で、県境を越えた貸出競争が激しさを増し、過度な競争が金融機関の体力を奪っているという指摘もある。
 企業倒産はバブル期並みの低水準が続き、金融機関の貸倒引当金も減少していた。しかし、10年ぶりに貸倒引当金が増加に転じ、一部の金融機関は倒産増も睨み、準備を始めている。
 横浜銀行と千葉銀行の業務提携は驚きをもって受け止められた。「千葉・横浜パートナーシップ」で相互で協業を進めており、今後もさまざまな金融機関が、取引先のM&Aや事業承継、海外進出などの連携を模索する動きが強まるだろう。さらにフィンテックなどIT投資の負担が嵩んでおり、補完する形で規模拡大とコスト削減を進める経営統合や業務提携が加速していきそうだ。
 金融機関の課題の一つに、「反社会的勢力との関係遮断」や「マネー・ローンダリング」、「テロ資金供与防止対策」などコンプライアンス対策が重要性を増している。また、事業性評価など、これまでの担保や財務内容による審査から取引先の課題克服、成長支援など決め細やかなフォローがより重要視され、目利き力も問われている。
 地域金融を維持するために、経済活性化と企業再生、事業承継、創業支援など金融機関に求められている課題は大きい。地元の金融機関が不安定になれば、地域経済に影響が直結する。独自路線なのか、統合・提携なのか、ライバル先を見据えながら金融機関の競争は今後も続く。

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東京商工リサーチ「データを読む」より抜粋

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