ソフトバンクがベクターの保有割合を半分以下に 2022年12月の大量保有報告書

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写真はイメージです

M&A Online編集部が大量保有データベースで2022年12月の大量保有報告書などの提出状況を調べたところ、ジャフコグループ株について、旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンスが「当該株券等に関する担保契約等重要な契約の変更」届けを3度提出したほか、三井住友トラスト・アセットマネジメントが新規に5.01%を取得し、野村證券が1.06%を売却し保有割合を6.02%に引き下げたことが分かった。

ジャフコは一旦中止した自社株のTOB(株式公開買い付け)を12月22日から実施(買付期限は2023年1月25日)しており、シティが応募することを決めている。

ジャフコは12月5日に、保有する野村総合研究所株の売却益が637億円に達する見込みで、このうちの一部を自己株取得に充てるとしていた。

アンジェスを3度売却

2022年9月にDNAワクチンの開発を中止すると発表したアンジェスについては、米国の金融サービス会社のCANTOR FITZGERALD & CO.が3度売却(5.78%)し、保有割合を7.04%に引き下げた

アンジェスはこれまでのDNAワクチンに代って、スタンフォード大学が保有する技術を活用した経鼻投与の改良型DNAワクチンを新たに開発することを表明している。

米投資ファンドのカーライル・グループが、TOBを実施した経済ニュースメディア「NewsPicks」などを運営するユーザベースについては、ユーザベース共同創業者の梅田優祐氏が保有全株式(保有割合13.09%)を手放したほか、同じく共同創業者の新野良介氏も保有全株式(同16.29%)を手放した。一方、カーライル・グループのTHE SHAPERは94.62%を新たに保有した。

2015年に経営破綻し12月14日に東京証券取引所に再上場したスカイマークについては、投資会社のインテグラル・パートナーズ(保有割合27.02%)を筆頭に、日本政策投資銀行(同13.98%)、ANAホールディングス(同12.93%)、キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント・カンパニー(同7.46%)が新規保有した。

ソフトウエアのダウンロードサイトを運営するベクターについては、ソフトバンクが17.13%を手放し、保有割合を半分以下の16.27%引き下げた。

2022年12月の大量保有報告書などの提出件数は1034件で、このうち保有割合を増やしたのが249件、新規保有が163件、保有割合を減らしたのが519件、契約の変更などが103件だった。

文:M&A Online編集部

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2022-12-02

旧村上ファンド系の投資会社シティインデックスイレブンスが、保有割合を18.34%にまで高めていたジャフコグループの株式を0.64%買い増し、11月末時点で18.98%を保有していることが分かった。