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三越伊勢丹、M&Aでコト消費を収益源に エステ・旅行会社を相次ぎ買収

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三越伊勢丹はエステサロンの運営会社を買収した(イメージ写真)

エステ・ブライダル‥‥新規事業に相次ぎ進出 

 三越伊勢丹は美容・健康事業でもM&Aに取り組んでいる。2016年12月に、エステティックサロン「ソシエ」を運営するソシエ・ワールドを子会社に持つSWPホールディングスの全株式を取得し、子会社化すると発表した。SWPホールディングスの2016年3月期の売上高は185億円、営業利益は4億9400万円。投資ファンドを運営するポラリス・キャピタル・グループから全株式を譲り受けた。取得価格は公表していない。

 三越伊勢丹は本件買収について、「エステティックを始めとするトータル・ビューティの事業は、コトサービスの強化として、お客さまがより自分に合った価値観を追い求める上で、今後、当社グループに必要な事業」と説明する。買収後はグループの資源を最大限活用し、出店機会の獲得やシステム・物流等のインフラ強化・効率化等を通じた事業拡大を図っていくという。

 三越伊勢丹が新規事業に本腰を入れ始めたのは2年ほど前からだ。グループの中長期戦略では、百貨店のあるべき姿を追求するとともに、海外店舗における新しいビジネスモデルの確立や成長エリアへの新規出店、また新規・成長事業の強化・拡大を図り、連結営業利益500億円以上の早期達成を目指すとしている。こうした中、新規事業の領域では、旅行やサロン事業のほか、ブライダル、飲食、医療モール事業に進出するため、異業種企業と相次ぎ合弁会社を立ち上げている。

〇三越伊勢丹の新規事業の取り組みと主なM&A

年月 分野 内容
2015年1月 旅行 100%出資の旅行専門子会社「三越伊勢丹旅行」を設立
2015年1月 美容・健康 三越伊勢丹HSDが34%、ヒューリックが51%、スマートメディカルが15%出資する形で次世代型ヘルスケアモールの開発会社「スマート・ライフ・マネジメント」を設立
2015年10月 ブライダル 三越伊勢丹HDSが51%、Plan・Do・Seeが49%出資する形で挙式・披露宴の企画運営会社「三越伊勢丹プラン・ドゥ・シー」を設立
2015年10月 カード 野村不動産ホールディングスと包括的業務提携と提携クレジットカード発行の合意
2016年1月 飲食 三越伊勢丹HDSが51%、トランジットジェネラルオフィスが49%出資する形で飲食店の企画運営会社「三越伊勢丹トランジット」を設立
2016年1月 投資 100%出資のベンチャー投資子会社「三越伊勢丹イノベーションズ」を設立
2016年4月 投資 オンラインギフトサービスを運営するベンチャー企業のギフティ(東京・品川)に出資
2016年10月 投資 フィンテックベンチャーのマネーフォワード(東京・港)に出資
2016年11月 投資 高級中古ブランド品の EC ベンチャー企業のアクティブソナー(東京・港)に出資
2016年12月 美容・健康 エステを始めとする美容事業を展開するSWPホールディングスの全株式を取得し子会社化
2017年2月 旅行 ニッコウトラベルに対する株式公開買い付け

 新事業の創造に関連して、ベンチャー企業への投資も始めている。2016年1月、100%出資のベンチャー投資子会社「三越伊勢丹イノベーションズ」を設立した。これまでにオンライン上でギフトを贈れるeギフトサービスを運営するギフティ(東京・品川)、自動会計簿・資産管理サービスを提供するマネーフォワード(東京・港)、高級中古ブランド品の引取から鑑定・値付、ネット上での販売、購入者への配送までを全て行う委託販売サービスのアクティブソナー(東京・港)の3件の投資を実行した。

 これらはすべてインターネット関連のビジネスを行う企業であるのが特徴だ。消費者が買い物をする場所が実店舗からオンラインへと移行するなかで、オンライン上でも三越伊勢丹グループとの接点を増やしていく狙いとみられる。

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