GENDAの代表取締役会長は片岡尚氏。イオン<8267>のゲームセンター事業を統括するイオンファンタジー(千葉県千葉市)や、映画館運営のイオンエンターテイメント(東京都港区)で社長を務めた経歴があります。2018年5月にGENDAの前身となるミダスエンターテイメントを設立しました。
共同代表で社長を務めるのが申真衣氏。ゴールドマン・サックス証券で金融商品開発などを経験してきました。ビジネスで実績を残しつつ、雑誌「VERY」の専属モデルとしても活躍するなど、多彩な経歴を積んでいます。ミダスエンターテイメント設立の3カ月後に取締役として経営に参画。2019年6月に社長になりました。
GENDAは2019年1月の売上高が4億円でした。2023年1月期は115倍の461億円まで拡大しています。急拡大の主要因となっているのがM&A。主力のセガエンタテインメントだけでなく、宝島(東京都台東区)、スガイディノス(札幌市)、エービス(茨城県ひたちなか市)のゲームセンター事業など、上場前はロールアップによる企業価値向上に専念していました。
■GENDAのM&A及び資本取引
この会社がユニークなのは、成長戦略にM&Aを盛り込んでいるだけでなく、案件ソーシング件数をKPIに設定していること。2023年1月期は40件のソーシング実績があり、2024年1月期は50件を目標としています。
M&Aの仲介事業者ならともかく、GENDAのような会社でソーシング件数に目標を設けている会社は珍しいでしょう。
スマートフォンやインターネットゲームなどの家庭用ゲームが充実し、ゲームセンターの市場は縮小するとのイメージがありますが、クレーンゲームのようなプライズゲームは、コロナ禍を迎える前までは市場が拡大し続けていました。GENDAが成長する機運はあります。同社はアメリカのアミューズメント施設運営会社を持分法適用関連会社にしており、海外展開にも期待ができます。
また、ゲームセンターだけでなく、映画館の運営にも乗り出しました。M&Aを武器として事業やエリアの幅を広げ、どこまで成長できるのか。注目が集まります。
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