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買収はキャッシュ・フロー計算書にどのような影響を及ぼす?しっかり学ぶM&A基礎講座(56)

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有価証券への投資がいつも「投資活動によるキャッシュ・フロー」とは限らない

子会社株式を取得した場合の支出は基本的には投資活動によるキャッシュ・フローの区分に記載されます。しかし、有価証券への投資がいつも投資活動によるキャッシュ・フローの区分に記載されるとは限りません。

例えば、株式を短期的に売買して利益を得ることを目的としているような事業では、投資活動によるキャッシュ・フローの区分ではなく、営業活動によるキャッシュ・フローの区分に記載されることも考えられます。

これは事業目的に応じて表示区分を判定することによるものです。資金の貸付なども通常は投資活動によるキャッシュ・フローの区分されるものですが、貸付自体を事業目的としているような会社であれば、営業活動によるキャッシュ・フローの区分に記載されることが考えられるというわけです。

キャッシュ・フロー計算書は、どこから生じた資金がどこに振り向けられているかを読み解くのに有効なツールです。本業から確実にキャッシュが得られており、それが有用な投資に使われているなら、ビジネス全体がうまく回っているといえます。M&Aもキャッシュ・フロー計算書の視点から見てみると、また新たな発見があるかもしれません。

文:北川ワタル(公認会計士・税理士)

北川 ワタル

経歴:2001年、公認会計士2次試験合格後、監査法人トーマツ(現有限責任監査法人トーマツ)、太陽監査法人(現太陽有限責任監査法人)にて金融商品取引法監査、会社法監査に従事。上場企業の監査の他、リファーラル業務、IFRSアドバイザリー、IPO(株式公開)支援、学校法人監査、デューデリジェンス、金融機関監査等を経験。マネージャー及び主査として各フィールドワークを指揮するとともに、顧客セミナー、内部研修等の講師 、ニュースレター、書籍等の執筆にも従事した。2012年、株式会社ダーチャコンセプトを設立し独立。2013年、経営革新等支援機関認定、税理士登録。スタートアップの支援からグループ会社の連結納税、国際税務アドバイザリーまで財務会計・税務を中心とした幅広いサービスを提供。

学歴:武蔵野美術大学造形学部通信教育課程中退、同志社大学法学部政治学科中退、大阪府立天王寺高等学校卒業(高44期)

出版物:『重要項目ピックアップ 固定資産の会計・税務完全ガイド』税務経理協会(分担執筆)、『図解 最新 税金のしくみと手続きがわかる事典』三修社(監修)、『最新 アパート・マンション・民泊 経営をめぐる法律と税務』三修社(監修)など

北川ワタル事務所・株式会社ダーチャコンセプトのウェブサイトはこちら


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