有価証券への投資がいつも「投資活動によるキャッシュ・フロー」とは限らない

子会社株式を取得した場合の支出は基本的には投資活動によるキャッシュ・フローの区分に記載されます。しかし、有価証券への投資がいつも投資活動によるキャッシュ・フローの区分に記載されるとは限りません。

例えば、株式を短期的に売買して利益を得ることを目的としているような事業では、投資活動によるキャッシュ・フローの区分ではなく、営業活動によるキャッシュ・フローの区分に記載されることも考えられます。

これは事業目的に応じて表示区分を判定することによるものです。資金の貸付なども通常は投資活動によるキャッシュ・フローの区分されるものですが、貸付自体を事業目的としているような会社であれば、営業活動によるキャッシュ・フローの区分に記載されることが考えられるというわけです。

キャッシュ・フロー計算書は、どこから生じた資金がどこに振り向けられているかを読み解くのに有効なツールです。本業から確実にキャッシュが得られており、それが有用な投資に使われているなら、ビジネス全体がうまく回っているといえます。M&Aもキャッシュ・フロー計算書の視点から見てみると、また新たな発見があるかもしれません。

文:北川ワタル(公認会計士・税理士)