■上場めざすなら会計監査人も必要



 さらに将来、新規株式公開IPO)などを目指す場合には、取締役会設置会社であることに加えて会計監査人を設置することが必須条件になってきます。

 取引所が上場会社に対して、会計監査人を設置し、当該会計監査人を金融商品取引法に基づき財務諸表等監査を行う公認会計士等として選任することを求めているため、上場申請会社も、上場する前にあらかじめ会計監査人を設置しておく必要があるからです。

 ただ会計監査人の設置にはコストがかかるため、創業期は①株主総会+取締役または②株主総会+取締役会+監査役という機関設計として、ベンチャーキャピタルなどから出資を受けるなどして本格的に上場を目指す段階で会計監査人を設置するというのが無難かと考えられます。

 株式会社の機関設計については、以上のようなことに鑑みて決めていくこととなります。

■資本金、少なすぎるのも多すぎるのも問題

 続いて、会社の資本金についても会社の設立時に決定する必要があります。現在会社法上、会社の資本金は1円でもよいことになっており、少額の資本金でも設立登記はできてしまいます。しかし、資本金が少なすぎると会社の信用力が問題となったり、簡単に債務超過に陥ってしまうため、ある程度の額にすることが望ましいと言えます。

 逆に、1億円より多い場合には、中小企業としての課税上の特例を受けることができなくなってしまったり、役員の変更登記費用が高くなることがあります。このように資本金が高すぎる場合もコストが余計にかかってしまうというデメリットが生じる可能性がありますので、資本金の決定には注意が必要です。


次回は会社の種類について解説します。

文:司法書士 田中 あゆ美
編集:M&A Online編集部

田中あゆ美(たなか・あゆみ)

司法書士。大阪司法書士会所属(登録番号4277号)。専門分野は起業支援、企業法務。2012年に司法書士試験、行政書士試験合格し、司法書士として登録後、実務経験を積む。「好きなこと、やりたいことを仕事に!」をモットーとし、起業家やベンチャー企業を、法律の専門家としてサポートする。顧問先企業多数。神戸大学法学部法律学科卒。法律資格予備校東京リーガルマインド専任講師。