エアコンに使う金属部品「バルブプレート」のメーカーである鹿島精機工業(神戸市)の社長に、中島祐氏が2023年6月に就任した。
中島氏はサーチャーとして事業承継先を探す中で、サーチファンド(個人が投資家からの資金援助を受けM&Aによって経営者になる仕組み)を運用するGrowthix Investment(グロウシックス・インベストメント、東京都中央区)や大手外資系投資銀行などから資金を調達し、念願の企業経営に携わることになった。
中島社長に今後の成長戦略やサーチファンドに対する考えをお聞きした。
-まず、御社のメイン製品であるバルブプレートとは何なのかをお教え下さい。
バルブプレートはルームエアコンやカーエアコンの空気の流れをコントロールする部品で、コンプレッサーの中に組み込まれており、硬くて柔軟性が求められます。特殊鋼をプレスで型抜きした後、表面を研磨して造ります。
排水設備を含めて結構設備投資が大きくなりますので、なかなか参入しづらい分野です。正式なレポートなどで出されてる数字ではありませんが、先代によると弊社の世界シェアは30%ほどだと考えています。
-そのような企業の社長になりたいと考えたのはなぜですか。
もともと企業の経営者になりたいと考え、5年くらい前からいろんな企業を調べていました。私はオムロンやミスミなどのメーカーで仕事をしてきており、こうした経験を活かせればと思っていました。
そうした中、グロウシックスさんに声をかけていただき、この会社と出会うことができました。今後の成長を考えると、売上高の半分以上を占める中国でしっかりとやることが大事で、私が現地の方と中国語でコミュニケーションが取れることを前社長に評価していただいたようです。
私自身もこの会社に魅力を感じました。前社長のおじい様が元々設立された会社で、お父様が引き継がれて、前社長が3代目でいらっしゃいました。
この60年間で品質の良さと耐久性が評価され、実績を積み上げてこられています。これがこの会社の強みであり、一番の魅力だと思っています。
UPBONDはWeb3を駆使して新しい事業の開拓に取り組んでいる。どのような事業を生み出そうとしているのか、同社の水岡駿CEO(最高経営責任者)に話をうかがった。