トップ > ビジネスと経済 > 政治・経済 >ワクチンは「決定打」にならずーコロナといかに向き合うべきか?

ワクチンは「決定打」にならずーコロナといかに向き合うべきか?

※この記事は公開から1年以上経っています。
alt
ワクチン接種で新型コロナを抑え込むのは難しい?(写真はイメージ)

ワクチンの効かない変異株が登場するリスクも

ただ、デルタ株の場合はワクチンを接種していれば、重症化する可能性が著しく低いとされている。集団免疫は得られなくても、ワクチン接種で重症化リスクが下がるのであれば問題ないのではないか?

実は、そう単純な話ではない。新型コロナワクチンの効果も永続的ではない。イスラエルでは2回目のワクチン接種から5か月以上経過した60歳以上の人に対し、8月から3回目の接種を実施する。米製薬大手のファイザーも、3回目のワクチン接種でデルタ株の抗体が増えると発表した。新型コロナ感染者が根絶されない限り、世界中で年に2回はワクチンを接種しなくてはならなくなる。

それだけでは済まない。新型コロナウイルスは短期間のうちに多数の変異株が生まれた。ブレークスルー感染が広がれば、変異種を生み出すリスクは高まる。いずれワクチンを接種しても重症化をもたらす変異株が発生する可能性もある。

ブレークスルー感染でコロナ禍は、さらに長期化する(写真はイメージ)

そうなれば、ワクチン開発からやり直しだ。引き続きロックダウン(都市封鎖)や厳しい行動制限を課されることになりかねない。昨年と同じ状況に逆戻りだ。ブレークスルー感染の拡大が止まらなければ、新型コロナの脅威は長期化するだろう。政府や企業は、それを前提に対策を考える必要がありそうだ。

文:M&A Online編集部

関連記事はこちら
デルタ株で終わりじゃない!新型コロナ「変異株」はいくつある?
注射の痛みのない「飲み薬」で治す新型コロナ「塩野義」が臨床試験を開始

NEXT STORY

アクセスランキング

【総合】よく読まれている記事ベスト5