数あるビジネス書や経済小説の中から、M&A Online編集部がおすすめの1冊をピックアップ。M&Aに関するものはもちろん、日々の仕事術や経済ニュースを読み解く知識として役立つ本を紹介する。
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「いきなり事業承継成功読本」小形剛央著(日刊現代/講談社刊)
経済産業省の試算によると、2025年に70歳を超える中小企業の経営者が245万人になり、そのうち半数が後継者不在の廃業予備軍になるという。「2025年問題」といわれ、世間の注目度も高い。こうした背景から事業承継をわかりやすく解説した入門書は数多く出版されている。
本書は事業承継を成功させるために経営者が何をすればよいのか、準備不足で失敗しないためにはどうしたらよいかを解説した。類書との違いは、事業承継計画書や事業承継税制にもページを割いている点だろう。対象は親族内承継から第三者承継まで、すべての経営者に向けて役立つ内容となっている。
著者は公認会計士・税理士として税務顧問やコンサルティングを行っている。スムーズに承継するためには、「準備期間に最低1年、理想は3年」と説く。
2022年12月末日時点の税制や法律に基づき書かれているため、最新の事業承継に関する施策について知りたいという方にはうってつけの1冊といえる(2023年1月発売)。
文:M&A Online編集部
「ただ廃業することは、無責任。最後まで、責任を持って廃業しませんか」。著者は中小企業の経営者に、こう呼びかける。その責任ある廃業とはM&Aだという。