もっとも仕組債の多くは、満期までに年に数度の利子が支払われる。償還額は変わらないとしても、利子で収益をあげられるのではないか?ところが、そうもいかないケースも少なくない。それが「早期償還条件」だ。
これは満期までの間に複数設けられている判定日における参考指数の終値が、所定の早期償還判定水準を超えた場合に額面の金額で早期償還される仕組み。これは強制的なもので、仕組債の購入者に拒否権はない。このケースでは額面割れにはならないものの、本来なら早期償還日以降から満期まで得られるはずだった利子の支給は直ちに打ち切られる。
仕組債を販売する側にとっては、相場が上昇した場合は早期償還で取り戻した仕組債を再販して手数料収入を増やせるメリットがある。相場の上昇局面では値上がりを期待して仕組債の購入希望者が増えるからだ。
なぜ、こうも売り手側に有利な条件になっているのか。デリバティブ商品の多くは、売り手側のリスクを補完するためのものだからだ。つまり、仕組債は売り手が「損」をしないための「保険」であり、売り手の「損」(買い手にとっては「得」)を最小限に抑える仕組みになっている。
金融庁が2019年4月に販売された代表的な仕組債である「EB債(他社株転換可能債)」856本を調査したところ、2021年末時点でのリターンは平均3.2%と、当時の低金利下では悪くない水準だった。一方で3カ月で元本の8割を失ったケースもあった。
3.2%という利回りの割にはリスクが高い。ただ、これは仕組債の性格上、仕方がないとも言える。それを理解した上で、金融商品の一つとして向き合うべき商品なのだ。
文:M&A Online
3月2日、米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、今年もレバレッジドバイアウト(LBO)の低迷が続くとの見通しを示した。
今年のアジアのヘッジファンドは十数年ぶりの最悪の運用成績で終わりそうだ。ユーリカヘッジのデータによると、11月までの成績は平均9.1%マイナスで、この流れが年末まで続けば2008年以降で最悪になる。
9月15日、ソフトバンクグループは、アリババ株式の譲渡で、2023年3月期の単体決算に約2兆6000億円の売却益を計上することが確定したと発表した。