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会社の収益またはキャッシュフローに着目する企業評価方法 ~DCF法~

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割引率を決定する

銀行預金の利率が年5%だったと仮定した場合、銀行に預けた100万円は1年後には105万円 (= 100万円×1.05) に、2年後には110万円 (= 100万円×1.05×1.05) になっています。これを未来からさかのぼって考えると、「2年後の110万円は、今の100万円と同価値 (110万円÷1.05÷1.05≒100万円)」ということができます。

DCF法で事業価値を算定する場合にはこれと同じように考え、各年度のキャッシュフローを複利で割引計算します。なお、事業計画は5年分程度作成しますが、DCF法では評価対象会社はそれ以降も事業活動を継続するとの前提に基づいて評価を行うのが一般的です。

会社は事業計画期間以降も永続するものとの考え (これをゴーングコンサーンの前提と呼んでいます) が根底にあり、この価値を永続価値、または「ターミナル・バリュー」と呼んでいます。

ターミナル・バリューは事業計画最終年度の予測キャッシュフローを割引率で割って算出します (他にもいろいろな算出法がありますが、ここでは最もポピュラーな方法のみを説明しておきます)。

いずれにしても、将来のフリー・キャッシュフローの現在における価値 (これを専門用語で現在価値と呼んでいます) とターミナル・バリューの現在における価値を合計します。また、「割引率」をいくらにするかもDCF法適用に際してのポイントとなります。たとえば、毎年1億円ずつのキャッシュフローを生む会社の割引率が10%の場合は企業価値が10億円となりますが、割引率が20%だと5億円となり、倍ほどの開きが出ます。

割引率は評価対象企業の自己資本コストと負債コストの加重平均により計算した「加重平均資本コスト (WACC: Weighted Average Cost of Capital)」と呼ばれる割引率を使う方法が一般的ですが、この割引率の決定だけで専門書が1冊書けるぐらいのテーマですので、ここでは説明を省略します。

ただし、難しい理論を勉強するのはご免だが、割引率をどう設定するのか知りたいという方は、「自分が1億円投資するとして何%のリターンを得たいか」を基準に考えてみましょう。

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