公開日付:2018.01.11
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)やスマートフォン向けゲームを展開している(株)ミクシィ(TSR企業コード:294092218、東京都、マザーズ)は12月27日、「特別損失の発生および業績予想の修正に関するお知らせ」をリリースした。
リリースによると、連結子会社の(株)フンザ(TSR企業コード:314444017、東京都)が運営するチケット売買サイト「チケットキャンプ」を2018年5月末までに完全停止する。これに伴い連結決算で77億2,800万円(のれん償却75億9,700万円、固定資産の減損1億3,100万円)、ミクシィ単体決算で115億7,300万円(全額株式評価損)を特別損失で計上する。計上時期は、2018年3月期第3四半期(10-12月期)。
フンザは2013年3月に設立され、2015年にミクシィが115億円で完全子会社化していた。だが、無許可で人気アイドルが所属する芸能事務所のコンサート情報に関するサイトを運営していたことが発覚。2017年12月、兵庫県警がチケットキャンプのサイト上の表示について、商標法違反および不正競争防止法違反の疑いでフンザを家宅捜索する事態に発展していた。
東京商工リサーチ(TSR)のデータベースによると、フンザの2017年2月期の純資産は15億8,200万円、総資産は67億7,200万円。同期の売上高は56億7,000万円、当期純利益は15億7,100万円の黒字だった。
ミクシィの担当者はTSRの取材に対し、「フンザはチケットキャンプ事業が売上高の大半を占めている。今後、清算を予定しているが、現時点で(時期や方法など)決まったことはない」とコメントしている。フンザの従業員は、「今後はミクシィで雇用することになる」という。
また、ミクシィの適時開示後の対応について一部から疑問の声が上がっている。12月27日に今回の件をリリースしたが、問い合わせ先として記載された番号に電話をしても「当窓口は12月27日から1月3日まで年末年始の休業」とアナウンスが流れる状態が続いたためだ。
上場企業が業績予想の修正をリリースしながら、内容の問い合わせが1週間以上出来なかった。この点の指摘についてミクシィの担当者は、「コーポレートサイトからメールで問い合わせを頂ければすぐに回答できた」と釈明した。
一連の問題を受け、フンザの取締役を兼任していたミクシィの森田仁基社長は月額報酬を6カ月間、全額自主返納する。
(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年1月12日号掲載予定「Weekly Topics」を再編集)
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