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「太陽光関連事業者」の倒産状況

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2016年上半期「太陽光関連事業者」の倒産、主な事例

 (株)オプトリサーチ(TSR企業コード: 291872620、東京都、負債総額約1億円)
 高速型高精度分光放射計や分光感度測定装置など各種光学測定器の輸入卸業者。官公庁や研究機関、民間大手に販路を築き、1994年5月期の売上高は約7億円を計上していた。

 しかし、官公庁の予算縮減や民間での設備投資の抑制から、2012年3月期(決算期変更)の売上高は1億5,610万円に急減。赤字決算債務超過に陥り、金融機関への借入返済リスケを要請していた。その後、太陽光発電装置・分光放射計など、電池評価用の太陽電池評価装置の販売にシフトしたが奏功せず、2016年1月に東京地裁より破産開始決定を受けた。

 エネオンアライアンス(株)(TSR企業コード: 576569631、沖縄県、負債総額約1億円)
 太陽光発電システムやオール電化製品、スマートハウスの販売やコンサルティングを主業とする一方、ソーラーパネルでの自然エネルギーを活用した飲食店も運営。環境問題意識の高まりから、2014年8月期は売上高が約4億8,000万円を計上していた。しかし、2014年後半に電力会社が再生可能エネルギーの買い取り中断を発表し、受注が大幅に減少し資金繰りが悪化。2016年2月に那覇地裁より破産開始決定を受けた。

 日本ロジテック(協)(TSR企業コード:298943107、東京都、負債総額約120億円)
 共同流通センターを運営していたが、特定規模電気事業者の認可を受けて2010年4月に電力小売事業に参入した。2012年の再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度開始で、電力小売事業が伸張。2012年3月期に4億2,600万円だった売上高は、2015年3月期は売上高555億7,700万円へ急拡大した。だが、自前の発電所を持たず、電力会社や自治体等から太陽光発電を含む余剰電力を購入し、安価に再販売する形態で利幅が薄く電力需給の逼迫によるインバランス・ペナルティーもあって資金繰りが悪化。2016年3月に再度の資金ショートを起こし、2016年4月に東京地裁より破産開始決定を受けた。

 (株)東海住宅サービス(TSR企業コード: 402811615、愛知県、負債総額4億3,800万円)
 2009年にリフォーム工事を目的に設立され、2013年頃から太陽光発電システムの卸売・施工にも進出した。時流に乗って事業を拡大し、売上高の約7割を同事業が占めていた。だが、人件費負担の増加や同業間の競合で採算が悪化、債務超過に陥っていた。2015年以降は、再生可能エネルギーの買い取り価格引き下げもあり、業績はさらに悪化。2016年4月、名古屋地裁より破産開始決定を受けた。

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