ご質問のケースでは「1.完全支配(100%)関係間の合併」に該当し、同一支配者による「完全支配関係」下による合併ですので、法人税法施行令第四条の二第2項二号の「適格合併」に該当する可能性が高いです。
「可能性が高いです」と言ったのは、他に抵触する部分があったら、適格合併に該当しないことも考えられるためです。
法人税法2条十二の八を読みますと、「金銭などの合併法人株式以外の資産が交付される合併」は適格合併から外されています。ですので、合併交付金がある場合は要注意です(適格にしたいなら、合併交付金は避けるべきです)。そして、法人税法施行令4の3第1項では「完全支配関係が継続される見込みではない合併」も適格合併から外されています。
なお、ここでは「見込み」の話なので、「結果的に売ることになってしまった」ケースはOKです。あくまでも、合併時において「継続して持つつもりだよ」ということなら「適格要件にはまるよ」、という意味です。「M&Aがある前提」などの場合は、この継続保有要件を満たさない可能性があります。
合併時に、会社を売却する旨の基本合意書を締結していれば、”非適格”になる可能性が高いでしょう。しかし、合併時にはM&Aの話が全くなくて、後々、結果的に会社を売っていた、ということならこの要件には抵触しません。
ただし、一般的な中小企業の親族関係間にある合併では上記のような要件に抵触することは少ないでしょうから(もちろん、実務上は上記のような点に引っかかる可能性はありますので、個別にご注意ください)、「適格合併に該当する可能性が高い」と判定しました。
一般的には、「適格組織再編に持っていきたいなら”自然体”の範囲内で、適格に持って行ける」ケースが多いです。”自然体”でと書いたのは、不自然・作為的なことをするとヤフー事件のように否認されてしまうことがあるためです。
従いまして、ご質問のケースにおいては、合併交付金も無く、全株式を継続保有見込であるならば、まずは「適格合併」に該当することとなります。(次回に続く)
[著]節税ヒントがあるかもブログ メタボ税理士さん [編集]M&A Online編集部
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