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調整局面でTOBが仕掛けられる可能性は?「すでに落ち切ったナイフ」に注目

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2017年第4四半期(10-12月)の国内株式TOBは活性化傾向に

 2017年第3四半期に公表された国内株式を対象とするTOBは19件でした。直前四半期の公表件数は3件、前年同期の公表件数は14件でしたので、TOB市場は活性化傾向にあります。 

 19件のうち、1件が親子上場会社における上場子会社の非上場化を目的として実施したものでした。また、上場子会社のファンドへの売却による上場廃止を伴う事業切り出しが1件ありました。他方、上場親会社が上場子会社株式を他の上場会社に売却する実質的な相対取引による親会社交代取引は2件あったものの、株式買い増しによる上場を維持した親子上場の増加取引はなかったため、全体として親子上場数は2件の純減となりました。また、持分法適用会社からの完全子会社化が3件、持分法適用会社からの80%子会社化(上場廃止)が1件ありました。

 その他、MBOが3件、ファンドによる上場廃止を伴うバイアウトが3件、ファンドによる上場廃止を伴わないバイアウトが1件、実質的な相対取引としてのマイナスプレミアムによる形式的公開買付で大株主のエグジット取引を行ったものが2件、地銀の経営統合の前準備としてのTOBが2件ありました。

図1 親会社による上場子会社の完全子会社化

買付企業 対象企業 TOBプレミアム
日本郵船 郵船ロジスティクス 43.82%

(筆者作成)

 図2 上場子会社の上場廃止を伴うファンドへの売却

買付企業 対象企業 TOBプレミアム
HKEホールディングス 日立国際電気 8.41%

(筆者作成)

 図3 上場廃止を伴う持分法適用会社の子会社化

買付企業 対象企業 TOBプレミアム
沖電気工業 沖電線 12.83%
ジェイテクト 富士機工 0.41%
日東富士製粉 増田製粉所 33.58%
株式会社GIT ポケットカード 12.84%

(筆者作成)

 図4 上場廃止を伴うMBO

買付企業 対象企業 TOBプレミアム
ケイアイエンタプライズ 上原成 24.22%
オーシャン 東栄リーファーライン 36.67%
アサヒ 鈴縫工業 22.26%

(筆者作成)

 図5 上場廃止を伴うファンドによるバイアウト

買付企業 対象企業 TOBプレミアム
BCPE Madison アサツーディ・ケイ 23.07%
KMホールディングス 黒田電気 37.30%
TNDホールディングス ツノダ 221.43%

(筆者作成)

 図6 上場を維持するファンドによるバイアウト

買付企業 対象企業 TOBプレミアム
アクア戦略投資事業有限責任組合 セブンシーズホールディングス 23.48%

(筆者作成)

 図7 親会社交代・大株主エグジット等上場を維持する実質的相対取引

買付企業 対象企業 TOBプレミアム
ナカバヤシ 国際チャート -1.90%
DDホールディングス エスエルディー -12.54%
アイソプラ ソフィアホールディングス -13.79%
エムシーインベストメント01 アーク -9.09%

(筆者作成)

 図8 地銀経営統合の前準備としてのTOB(実質上場維持)

買付企業 対象企業 TOBプレミアム
りそなホールディングス みなと銀行 7.05%
りそなホールディングス 関西アーバン銀行 5.18%

(筆者作成)

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