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「ミッション:インポッシブル」最新作は『トップガン マーヴェリック』を超えられるか!

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©2023 PARAMOUNT PICTURES.

『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』は『トップガン マーヴェリック』を超えられるか!

トム・クルーズの代表作、「ミッション:インポッシブル」シリーズの最新作『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』が本日(7月21日)公開されます。

本作は欧州市街地での激しいカーチェイス、断崖絶壁からのバイクによる大ジャンプ、そして激走する列車上での格闘──。7作目となる本作も、スタントなしのトム・クルーズ本人によるアクションシーンが満載です。

©2023 PARAMOUNT PICTURES.

監督は脚本も手がけるクリストファー・マッカリー。このシリーズには前々作から参加しています。トム・クルーズとは『ワルキューレ』(2009)、『アウトロー』(2013)、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(2014)などで組み、『トップガン マーヴェリック』にも製作で関わっています。実際にマッカリー監督は、『トップガン マーヴェリック』の撮影中にトム・クルーズと本作について話し始めたと語っています。なお「ミッション: インポッシブル」シリーズ史上初となる二部作で、後編の『デッドレコニング PART TWO』は2024年6月公開予定です。

共演は前作から引き続き、ヴィング・レイムス、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン、ヴァネッサ・カービーのほか、イーサイ・モラレス、ポム・クレメンティエフが初参戦します。

©2023 PARAMOUNT PICTURES.

「ミッション: インポッシブル」シリーズ過去6作品をざっくり紹介

「ミッション: インポッシブル」シリーズは、IMFのエージェントであるイーサン・ハントを主人公としたアクションシーンたっぷりのスパイ映画のシリーズです。アメリカの人気テレビシリーズ『スパイ大作戦』をベースにしており、ラロ・シフリンによるテレビシリーズのテーマ曲が使用されています。

ストーリーを忘れてしまったという方もいらっしゃると思いますので、ここで「ミッション:インポッシブル」シリーズの過去6作品の概要と見どころを一気に振り返ってみましょう!

1●『ミッション:インポッシブル』(1996)

『ミッション:インポッシブル』

日本における興行収入36億円(※)

内通者の濡れ衣を着せられたイーサン・ハントが陰謀を暴くために奔走します。内通者のふりをして、東欧で活動するCIAの潜入者リストを盗み出し、真犯人を炙り出そうとすると…。

CIAの金庫室に排気管から宙吊りで侵入して、体を水平に保つシーンが有名。しかし、迫力の点では、列車の上での格闘が勝ります。敵のヘリコプターをトンネル内に巻き込み爆破させ、その熱風でヘリコプターから列車に飛び移るイーサンの度胸には驚かされます。

2●『M:I-2』(2000)

『M:I-2』

国内興収97億円

強奪された殺人ウイルス「キメラ」とその解毒剤を取り戻すため、犯人の元恋人を仲間に引き入れ、潜入させるのですが…。

冒頭に休暇中のイーサンが登場しますが、断崖絶壁を”命綱なし”でロッククライミングしています。これもスタントなしとのこと。

任務中では、バイクによるカーチェイスが迫力満点。猛スピードで走行しながら、バイクから降りて足を地面に滑らせるシーンにバイクアクションの多彩さを感じます。

3●『M:i:III』(2006)

『M:i:III』

国内興収51.5億円

現場から離れ、教官として働くイーサンは婚約者と暮らしていますが、彼女には自身の仕事を伏せていました。ところが教え子の危機に現場復帰。ラビットフットと呼ばれるものを巡って攻防が繰り広げられ、イーサンは愛する女性を連れ去られてしまう…。

イーサンが公私ともども追い詰められるという貴重な作品。一度は捕まえた闇商人を護送中、激しい銃撃を喰らい奪われてしまうのですが、予告編にも使われた爆風で吹き飛ばされるシーンは見ている者にも痛みが伝わってきそうです。

4●『ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル』(2011)

『ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル』

国内興収53.8億円

ロシアのクレムリンで爆破テロ事件が発生。イーサンたちに容疑がかけられ、IMFの存在が抹消される事態に。イーサンたちは孤立無援の状況に追い込まれながらもなお、核テロを未然に防ごうと奔走します。

電子的に吸着力を持つ手袋をはめて、地上800メートルというドバイの超高層ビルをイーサンが上る姿はまるでスパイダーマンのよう。トム・クルーズはノースタントにこだわり、デジタル撮影を提案されても「デジタル・トムは存在しない。トムだけだ」と断ったそうです。しかも降下して部屋に戻るときの危険度は、上りの比ではありません。

5●『ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション』(2015)

『ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション』

国内興収51.4億円

イーサンはCIAやKGBをはじめとする各国の元エリート諜報部員が結成した無国籍スパイ組織「シンジケート」を秘密裏に追跡。IMF解体で後ろ盾を失い、国際手配されながらも、仲間と巨大な陰謀に立ち向かいます。

冒頭、輸送機エアバスA400Mに潜入を試みるイーサンが機体側面にしがみついたまま離陸し、生身で空中に飛び出していくシーンで有名な作品です。加えて、水中にある金庫の中身を入れ替えるという水中アクションにも挑みます。演技しながら水中で3分、息を止める。かなり危険なアクションだったはずです。

6●『ミッション:インポッシブル フォールアウト』(2018)

『ミッション:インポッシブル フォールアウト』

国内興収47.2億円

イーサンは盗まれた3つのプルトニウムを回収する任務を与えられましたが、回収目前で何者かにプルトニウムを奪われてしまいます。事件の裏には、前作で壊滅させたはずの秘密組織「シンジケート」の残党が結成した「アポストル」が関与しており、核兵器製造の目論みが判明。イーサンは盗まれた3つのプルトニウムの奪還に挑みますが…。

クライマックスのヘリコプター・チェイスは迫力満点。トム・クルーズは2000時間もの猛特訓を行い、ヘリコプターのライセンスを取得して挑んだそうです。

お馴染みのイーサンが全力疾走するシーンでは、とあるオフィスの中を通り抜ける部分があり、「何事?」と驚く人たちの中を申し訳なさそうに走るトム・クルーズの表情は必見。実はビルからビルに飛び移る際、脚を骨折していたとのこと。脚を引きずり、痛みを堪えながら走るトム・クルーズが本当に痛々しい。

※興行収入は 日本映画製作者連盟 日本映画産業統計資料より。2023年7月19日現在、アマゾンプライム・Huluで全作品視聴可能です。

イーサン・ハントとピート・“マーヴェリック”・ミッチェルの違い

今回、イーサンが挑むのは潜水艦に搭載されたAIの電子基板を取り出す鍵を手に入れるミッション。そのAIは自我を持って暴走し、自ら潜水艦を撃沈させ、北極海に沈んでいます。しかも鍵は1つではなく、2つの鍵を差し合わせてクロスの形にしなくては取り出せない仕組みになっていました。その鍵を巡ってさまざまな国や組織が暗躍します。イーサンもCIAの思惑とは違う理由で、いつもの仲間たちとチームを組んで鍵を追い、CIAから追われてしまいます。

©2023 PARAMOUNT PICTURES.

イーサンがトム・クルーズのもう一つの代表作『トップガン』のピート・“マーヴェリック”・ミッチェルと違うのはそこのところ。ピートはイーサンと同じように危険を顧みずにミッションに取り組みますが、あくまでもアメリカ海軍の兵士であり、規律から外れる行動はしません。一方、イーサンは過去作も含めて、常に自らの信念に基づいて行動し、国や組織の思惑を一切気にしないのです。

国際空港ターミナルをひたすら走るトム・クルーズ

鍵を追ってイーサンは世界各地に飛び、アブダビの空港、ヴェネツィアの迷路のような道と運河、ローマの歴史的な街並み、ノルウェーの広大な山々──。様々な攻防戦が繰り広げられます。脚本も手掛けたクリストファー・マッカリー監督が「観客を世界の隅々まで連れ出す」と語っています。

©2023 PARAMOUNT PICTURES.

イーサンが列車に乗り込むためにバイクで崖から飛び降りる場面をよく目にしますが、これもすべてトム・クルーズ本人が演じています。ローマの石畳の道で繰り広げるカーチェイスは、左手をヘイリー・アトウェルが演じるグレースと手錠で繋がれていながらのハンドル操作。それでドリフトまでこなしてしまうのです。トム・クルーズの身体能力の高さには驚くしかありません。

©2023 PARAMOUNT PICTURES.

『M:i:III』で上海の街中を走り抜けた辺りからでしょうか。「ミッション:インポッシブル」といえば、トム・クルーズがひたすら走るシーンがあるのがお約束。本作でも巨大な砂漠のようなデザインのアブダビの空港、ミッドフィールド・ターミナルの上で、還暦を超えているとは思えない走りを見せてくれます。監督も「とても美しい場所だったよ。実に壮大で、走るトムがよく映える」とコメントしています。

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トム初心者必見 過去作を見ておくのなら「1作目」と「前作」で

本作はこれまで「ミッション:インポッシブル」シリーズを見たことがなかった方でも問題なく楽しめますが、もし、事前に過去作を見て準備をしておくのなら、1作目の『ミッション:インポッシブル』(1996)と前作の『ミッション:インポッシブル フォールアウト』(2018)をお勧めします。

まずは『ミッション:インポッシブル』から。重要な役どころにヘンリー・ツェニー演じるCIAエージェントのユージーン・キットリッジが登場します。また、ヴァネッサ・カービーが演じるホワイト・ウィドウの母親とその組織についても描かれています。注目すべきは、この作品でイーサンにCIAの金庫室侵入を許してしまったため、キットリッジによって荷造りする余裕もなくアラスカに飛ばされた人物が出てきたこと。潜水艦が北極海に沈んでいることを考えると、次回作でこの人物がイーサンに深い恨みを抱いて出てくることが予想されます。

『ミッション:インポッシブル フォールアウト』は直近の作品ですから、イーサンの仲間たちがどんなスペックを持っているのか、知ることができます。また、ここからホワイト・ウィドウが登場。彼女の組織が現在どのような活動をしているのかがわかるので、本作の理解がより深まります。

『トップガン マーヴェリック』の興行収入136.5億円を超えられるか

アメリカではすでに公開し、週末の全米興行収入ランキングでNo.1を獲得。同時公開した国々を合わせると1億5500万ドル(約215億円)を稼ぎ、「ミッション:インポッシブル」シリーズ最大のオープニング成績という華々しいスタートを切りました。

本シリーズの日本における興行収入は2作目の『M:I-2』が97億円でトップでしたが、前作の『ミッション:インポッシブル フォールアウト』は47.2億円と下降気味です。

しかし、1986年12月に公開された『トップガン』(1986)の興行収入は39億円でしたが、続編として2022年に公開された『トップガン マーヴェリック』は興行収入136.5億円を記録し、2022年の洋画部門では2位のジュラシック・ワールド/新たなる支配者(63.2億円)に2倍以上の差をつけた圧巻の1位でした。新しいファン層を獲得したいま、勢いに乗って本作もシリーズ最高の興行収入を叩き出すかもしれません。

文:堀木三紀(映画ライター/日本映画ペンクラブ会員)

『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』

<STORY>
IMFエージェント、イーサン・ハントに課せられた究極のミッション̶ 全人類を脅かす新兵器が悪の手に渡る前に見つけ出すこと。しかし、IMF所属前のイーサンの“逃れられない過去”を知る“ある男”が迫るなか、世界各地でイーサンたちは命を懸けた攻防を繰り広げる。やがて、今回のミッションはどんな犠牲を払っても絶対に達成させなければならないことを知る。その時、守るのはミッションか、それとも仲間か。イーサンに、史上最大の決断が迫る̶

<作品データ>
監督・脚本:クリストファー・マッカリー(『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』、『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』)
出演:トム・クルーズ、ヘイリー・アトウェル、ヴィング・レイムス、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン、ヴァネッサ・カービー、イーサイ・モラレス、ポム・クレメンティエフ、ヘンリー・ツェニー
全米公開:2023年7月12日
原題:Mission: Impossible – DEAD RECKONING PART ONE
配給:東和ピクチャーズ
©2023 PARAMOUNT PICTURES.
公式サイト:https://missionimpossible.jp/
2023年7月21日(金)全国公開!

『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』
©2023 PARAMOUNT PICTURES.

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