韓国で興行収入ランキング初登場第1位を記録『告白、あるいは完璧な弁護』

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(C) 2022 LOTTE ENTERTAINMENT & REALIES PICTURES All Rights Reserved.

密室殺人の容疑をかけられたIT企業社長が犯行を否認し、無罪を勝ち取るために雇われた敏腕弁護士が事件の真相を探り始める。映画『告白、あるいは完璧な弁護』はスペインでヒットした映画『インビジブル・ゲスト 悪魔の証明』(2017)を『マリン・ボーイ』で麻薬をめぐる裏社会の人々の攻防をスリル満点に描いたユン・ジョンソク監督がリメイクした作品である。緻密なプロットで描かれた予測不能な展開が観客を魅了し、本国では興行収入ランキング初登場第1位を記録した。

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IT企業社長ユ・ミンホ(ソ・ジソブ)の不倫相手キム・セヒ(ナナ)がホテルで殺された。事件の容疑者となったミンホは潔白を主張し、100%無罪を勝ち取る敏腕弁護士ヤン・シネ(キム・ユンジン)が雇われ、事件の真相を洗い直す。ヤン・シネは失踪している青年の顔写真をミンホに見せ、セヒの殺人に関係しているのではないかと問い質すと…。

尋問の形式の優れたミステリー

ドアチェーンの掛かったホテルの部屋に警察が踏み込んだとき、中にいたのはミンホと殺されたキム・セヒの二人だけ。密室殺人にもかかわらず、ミンホは殺していないと主張、ヤン・シネ弁護士に無罪を勝ち取るよう依頼する。ヤン弁護士はミンホに事件を振り返ってもらいながら、事件を紐解いていく。

告白、あるいは完璧な弁護
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ヤン弁護士は「依頼人には2つのタイプがいる」という。自らに不利なことも認めて協力する人と、血を流さずに罪を逃れられると勘違いする人の2種類だと。必要以上に語ろうとしないミンホは後者。しかし検察に反論するには、すべてを知る必要がある。ヤン弁護士は巧みな誘導で、ミンホに語らせていく。一方で、ミンホも臨機応変に嘘を織り交ぜ、自らの不利益から逃れようとする。

告白、あるいは完璧な弁護
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ストーリーは基本的にはミンホとヤン弁護士の会話劇だが、起きた事象に対するそれぞれの解釈を映像で見せて話が進んでいく。果たして、ミンホは無罪を勝ち取れるのか。ヤン弁護士との言葉の応酬が、同じ事象も視点を変えると、そこに潜む真実が変わってしまうことに驚ろかされる。尋問の形式を取った優れたミステリーである。

過去のリメイク作品との違い

冒頭で触れたとおり、本作はスペインでヒットした映画『インビジブル・ゲスト 悪魔の証明』(2017)のリメイクである。翌年にはイタリアでも『インビジブル・ウィットネス 見えない目撃者』(2018)としてリメイクされた。

この2作品は設定や展開がほぼ同じだが、本作では設定を少し変え、意外な正体が明らかになった先までを描く。会話劇がサスペンスタッチになり、緊張感が一気に増す(ネタバレになるのでこれ以上は語れない)ので、リメイク作品をご覧になった方も楽しめるだろう。

告白、あるいは完璧な弁護
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監督は本作を撮る際に、季節とロケ地にこだわったそうだが、それが活きたクライマックスとなっている。

緊迫した心理戦

密室殺人事件の容疑者にされるIT企業の社長ユ・ミンホを演じるのは、主演ドラマ「ごめん、愛している」(04)でブレイクを果たしたソ・ジソブ。これまで恋愛作品が多かったソ・ジソブにとって、この作品が初めてのサスペンススリラーである。

密室殺人事件の容疑者 ユ・ミンホ(ソ・ジソブ)
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ユン・ジョンソク監督は「ミンホは隠し事が多く、観客は彼が信用できる人物かを迷う難しい役どころですが、ソ・ジソブならミンホをよりミステリアスに演じてくれると確信していました」とキャスティングの理由を語っている。

無罪率100%の敏腕弁護士 ヤン・シネ(キム・ユンジン)
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無罪を主張するミンホの弁護を担当するヤン・シネ弁護士を演じるのはキム・ユンジン。日本でも大ヒットしたスパイアクションの「シュリ」(99)や、米ドラマ「LOST」(2004~2010)出演で話題を集め、Netflixで配信された韓国ドラマ「ペーパーハウスコリア:統一紙幣を奪え」(2022)では、韓国の警察庁に所属する危機交渉チームのリーダー役を好演。本作は台本を読んですぐに出演を決めたという。ソ・ジソブ演じるミンホとの緊迫の心理戦は見事。入念なリハーサルを重ねただけのことはある。

ミンホの不倫相手 キム・セヒ(ナナ)
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そして、ミンホの不倫相手キム・セヒを演じたナナはアイドルグループ「AFTERSCHOOL」のメンバーとしてデビューし、モデルとして活躍。ドラマ「グッドワイフ~彼女の決断~」(16)で注目され、女優として確固たる地位を築き、本作では振り幅の広い演技を見せた。

文:堀木三紀(映画ライター/日本映画ペンクラブ会員)

<STORY>
IT企業社長ユ・ミンホの不倫相手キム・セヒが密室のホテルで殺された。事件の第一容疑者となったミンホは潔白を主張し、100%無罪を勝ち取る敏腕弁護士ヤン・シネを雇い事件の真相を探り出す―。そこで以前に起きた一つの交通事故がセヒの殺人に関係しているかもしれないと告白し、事件の再検証がはじまっていくが…。錯綜する2つの事件と目撃者。その真実は誰のためのものなのか。欲望に隠された<衝撃の真実>に辿り着いたとき、切ない“痛み”があなたを襲う。

<作品データ>
出演:ソ・ジソブ、キム・ユンジン、ナナ(AFTERSCHOOL)、チェ・グァンイル
監督・脚本:ユン・ジョンソク『マリン・ボーイ』
製作:リアライズピクチャーズ『王になった男』『神と共に 第一章:罪と罰』、『神と共に 第二章:因と縁』
配給:シンカ 宣伝:フラッグ 提供:シンカ、フラッグ、エスピーオー
2022/韓国/105分/DCP/スコープサイズ/カラー/5.1ch/字幕: HTO MEDIA/
原題:자백
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公式サイト:https://synca.jp/kokuhakuaruiwa/ 
Twitter:@SYNCA_asia #告白あるいは完璧な弁護
6月23日(金) 全国ロードショー

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