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キングジム社長が語る「生存戦略としてのM&A」 老舗文具メーカーはどう事業を拡大させてきたか

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テプラを手に講演するキングジムの宮本彰社長

社内の合意形成は?

様々な企業をグループ会社化してきた同社だが、1件目のM&Aから社内の合意形成はできていたのか。宮本社長は相乗効果が見込めたため、納得のうちに話が進んだものの、自身がリーダーを務めたテプラの開発では苦労した。製造設備も技術もなく、大きなコストがかかることで不満に思う社員は多かったという。社内でそうした経験をしたからこそ、M&Aはスムーズにいった面もあると宮本社長は見るが、概して「(M&Aを含めて)新しいことをやろうとすると怖がる社員は必ず生じる」 として、合意形成の難しさを語った。

トークセッションの様子
左からキングジムの宮本彰社長、ストライクの荒井邦彦社長

譲受企業へのサポートは?

M&A後のサポートはどうしているのか。その点に話が及ぶと、買収後の1、2年はとりわけ大切な時期だと考えているという。手掛けるのは優良な案件ばかりで、被買収側は「なぜ身売りしなければならなかったか」「これから先どうなるのか」と感じる社員がいて当然だと宮本社長はみている。そのためにも、グループ会社になってよかったと思える状況を作り出すことが重要。被買収企業の社員のメンタルをしっかりフォローでき、次期社長候補にもなりえる有望な若手社員を本社から送り込み、サポートしているとのことだ。

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