前回に引き続き、「健康経営®」についてお伝えする最終回です。
健康経営に本格的に取り組むにあたっては、公的な認定制度に則って推進していくのが現実的です。経済産業省が運営する「健康経営優良法人制度」の認定要件には、健康経営の推進に欠かせない要件がバランスよく網羅されています。認定を取得するか否かに関わらず、この要件に沿ってステップを進めていくことで、実効性の高い健康経営を行うことができます。
①STEP1:健康宣言
まず、健康経営を経営理念の中に明文化するとともに、自社のウェブページなどを介して社内外に健康経営を行うことを宣言します。
②STEP2:体制づくり
次に、健康経営に取り組むための組織体制を構築します。健康づくりの担当部署を決め、その責任者を任命します。また、産業医や保健師等、健康づくりに関する外部人材の活用も検討します。
③STEP3:健康課題の把握と対策
定期健康診断やストレスチェックなどを通じて、自組織の健康の見える化を図ります。また、残業時間や有給休暇の取得状況、職場の安全衛生状況といった情報からも課題を把握します。
把握した健康課題の中から優先的に取り組む課題とその解決策を検討し、計画を立案します。健康診断の受診率や喫煙率、有給休暇取得率といった、特に重要な数値については、目標数値を設定して取り組みます。
【参考】ちょっとユニークな健康目標(インソース調べ)
④STEP4:取り組みの評価
実施した解決策の効果について、健康づくり責任者や経営層が評価し、さらなる健康改善に向けた取り組みのステップアップを図ります。
大切なのは、従業員一人ひとりが自身の健康に価値を見出し、健康増進に向けた行動が習慣となるよう促すことです。経営層の一方的な宣言で終わらないようにするためには、取り組みを実行した従業員にはインセンティブを与えるなどの施策も効果的です。いかに従業員を巻き込み、健康リテラシーを高めていけるか、そのための工夫が求められます。
インソースでも、2023年9月に「健康経営宣言」を行い、全社をあげて健康経営に取り組んでいます。
従業員の健康増進を支援し、人的資本の価値向上に努めることは、企業ブランドを高めることにつながります。その結果、新たな投資を呼び込んだり、優秀人材の定着につながったりするなど、様々なメリットがある健康経営をまだ実践していない、という組織におかれましては、今回の内容を参考に取り組みを始めてみてはいかがでしょうか。
株式会社インソース より
50年前の夏、一冊の本が売れに売れた。本のタイトルは「日本列島改造論」(田中角栄著、日刊工業新聞社刊)。政治家の著作として90万部を超える空前の大ヒットとなった。
コロナ禍で職を失い苦境に陥る人たちが目立つ中、いくつかの調査では、転職で収入を増やす人が多く、人手不足を背景にアルバイトやパートの時給が上昇するなどの現象が生じている。