背景に動画広告市場の急成長

 グリーが43億円もの資金を投じて動画ベンチャーのM&Aに動いた背景には動画広告市場が急成長していることがある。サイバーエージェントが実施した国内動画広告の市場調査(Copyright © CyberAgent, Inc. All Rights Reserved.)によると、動画広告市場は2022年に2918億円に達し、16年(842億円)の3.5倍に成長することが見込まれている。このうちスマートフォンでの配信は全体の84%を占める見通しだ。

 グリーは動画事業と合わせてVR領域にも力を入れている。2016年12月、東京都渋谷区にオープンしたVRのアミューズメント施設「VR PARK TOKYO」にグリーはアドアーズ<4712>と共同開発した2機種のアトラクションを提供している。田中社長は「VRは他社との共同開発をしながら、自分たちの開発力を高めていく」と語る。グリーは800億円を超える豊富な手元資金を抱えている。動画と同様、VR領域での事業拡大に向けにグリーはさらなる提携やM&Aに動く可能性もありそうだ。

 2016年10~12月期は四半期ベースで4年ぶりに増収に転じたとはいえ、営業利益は7~9月期比41%減の15億円と苦戦が続いている。広告宣伝費の増加や北米のゲームタイトル取得に伴う償却費が響いた。業績を回復軌道に乗せるには、ゲームの反転に加えて、動画やVRなど新領域の収益貢献が欠かせない。