DOOR賃貸、業績をどこまで押し上げるか

キャリアインデックスの2020年3月期業績の従来予想は売上高31.6%増の31億200万円、経常利益3.5%増の8億500万円、最終利益0.1%増の4億8300万円。ここに新戦力として加わるのが「DOOR賃貸」事業。どの程度のインパクトがあるのか。

実際、「DOOR賃貸」事業の経営は良好だ。当該事業の2019年3月期実績は売上高7億6600万円、経常利益3億5100万円。買収直後の今期業績への寄与は限定的だが、単純計算で2021年3月期は売上高を25%程度、経常利益を40%程度押し上げる効果がある。

新規利用者獲得のためのコスト増(広告費など)などに伴い、ここ2年は利益面での足踏みが目立っていただけに、停滞感の打破への期待が大きい。

「DOOR賃貸」の買収には売上高の半分以上にあたる17億5000万円を投じた。大半を手元資金で賄ったものの、想定した業績が今後見込めなければ、のれんの減損処理というリスクを背負いかねない。ポストM&Aの課題は何といっても、集客力などの面で既存事業とのシナジー(相乗効果)をいかに引き出せるかの一点に集約される。

「マーケティングコストをかけないと勝てない分野」

集客でモノをいうのはインターネット上でのマーケティング活動。検索エンジン連動型の広告を中心にユーザーを獲得し、Webサイトにいかに誘導できるかにかかっている。「広告費は膨らむが、マーケティングコストをかけないと勝てない分野」(幾島氏)と攻めの姿勢を鮮明する。

同社のこれまでのM&Aの取り組みはどうか。主力の人材関連では大黒柱の転職情報サイト「CAREER INDEX」のほか、アルバイト・派遣情報サイト「Lacotto」、ファッション業界転職情報サイト「FashionHR」を展開するが、このうち「FashionHR」は2016年に買収によってメニューに加わった。

実は今回、「DOOR賃貸」と入れ替わるかのように年明け早々、専門学校や通信教育などの各種講座を集約したスクール情報サイト「CAREER INDEXスクール」を終了する。2007年に買収したが、事業の選択と集中の一環として撤退を決めた。

「DOOR賃貸」買収でプロジェクトリーダーを務めた幾島氏。人材サービス、IT企業でのベンチャー投資や子会社管理などの経験を買われて、2018年11月に入社した。新規分野の不動産関連を人材関連と並ぶ経営の両輪としてどう育て上げるのか、腕の振るいどころが続きそうだ。

文:M&A Online編集部