「オミクロン株」流行に伴う入国禁止で南アフリカが反発した理由

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各国の渡航禁止は「差別的」と反発した南アフリカのラマポーザ大統領(Photo By Reuters)

入国禁止よりも感染症対策強化が重要

これを日本に当てはめれば、海外からの入国を禁止するよりも、大幅に緩和した感染症対策を「引き締める」べきということだ。つまりオミクロン株を恐れるのであれば、直ちに2週間以上の緊急事態宣言を出した方がオミクロン株を封じ込めるには効果的ということになる。

もっともオミクロン株の感染力が高いことは明らかなようだが、重症化リスクについてはまだ分かっていない。2度のワクチン接種もしくはブースター接種を受けていれば重症化リスクが低いのであれば、緊急事態宣言を出す必要はないかもしれない。

最も懸念すべきなのは変異株の発見国が渡航制限を受ければ、変異株の発見に消極的となる国が出てくることだ。日本も東京五輪前に東京都のPCR検査件数が少なすぎると指摘があった。統計上の感染者数を増やさないことで、東京五輪の開催実現を後押ししようとしたのでないかとの疑念も持たれている。

科学的な効果も期待できず、「正直者がバカを見る」ような渡航制限が「百害あって一利なし」なのは間違いなさそうだ。

文:M&A Online編集部

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