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日本がウクライナに戦車を出せないのは実績ではなく「ガラパゴス化」

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「ガラパゴス」化した国産戦車、海外では使えない

10式戦車は先代の「90式戦車」が50.2トンと重く、北海道以外では運用が難しいとの反省から44トンに軽量化された。そのため、60トンを超えるレオパルト2や英国の「チャレンジャー2」、米国の「M1 エイブラムス」に比べると防御力が弱いとされる。

10式戦車の最大の強みは、指揮系(作戦系)システム・業務系システム・通信インフラ系システムなどで構成される「C4Iシステム」。多くの情報を瞬時に処理し、戦闘を有利に運ぶ「スマート(賢い)戦車」だ。

同システムは概ね米軍に準じたものだが、ロシア製兵器を装備するウクライナ軍の情報システムとの互換性はない。そもそもウクライナには米国や日本で整備されているような高度戦闘情報システムが存在しないのだ。

10式戦車は情報化により作戦や戦術、交戦で本領を発揮する戦車なのだが、インフラとなる情報システムが構築されていないウクライナでは「宝の持ち腐れ」になる可能性が高い。

「実績不足」が日本製兵器の弱点とされる。が、日本のように高度な情報インフラが整備されたエリアでしか運用できない以上、供与できる地域は限定されるため、実績の積み上げようがないのが実情だ。

本来、戦車は大陸の大平原での戦闘向けの兵器。島国の日本での利用を想定した「特殊用途」の国産戦車が国際的な競争力を持つのは不可能に近い。だからと言って海外で通用する戦車を生産すれば、日本では使えないというジレンマに陥る。メイド・イン・ジャパンの兵器もまた「ガラパゴス化」しているのだ。

文:M&A Online編集部

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