ではなぜシリコンバレー銀の経営破綻が、ここまで大騒ぎになるのか?13日の東証の日経平均株価は同行の経営破綻を受けて、一時500円を超える値下がりとなり、終値は6営業日ぶりに2万8000円を割り込んでいる。
それはシリコンバレー銀の主な融資先が、米国経済の成長を牽引してきたスタートアップ企業だからだ。同行の破綻で取引先は早くも苦境に陥っているという。
ベンチャー企業やスタートアップ企業のトップから次週の給与に充てるために自己資金を使っているとの声も聞かれ、電子商取引のスタートアップ企業の少なくとも2社が顧客に事業継続のために自社サイトでの買い物を増やすよう要請したと米ウォール・ストリート・ジャーナルは伝えている。
同行は2008年にイスラエル、12年には中国で合弁会社を開設するなど、スタートアップ大国での資金供給にも力を入れてきた。シリコンバレー銀破綻で融資先の連鎖倒産が発生すれば「スタートアップバブル」が崩壊し、グローバル株式市場の暴落を引き起こしかねない。
さらにはイノベーションの鈍化を招く可能性もある。「日本の地銀クラスの金融破綻」と軽視することはできないのだ。
文:M&A Online編集部
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