東洋建設をめぐる「買収」戦が新局面に、任天堂創業家がTOB価格引き上げ
海洋土木大手の東洋建設と任天堂創業家の資産運用会社「ヤマウチ・ナンバーテン・ファミリー・オフィス(YFO)」の買収をめぐる攻防戦が新局面を迎えた。
その際たるものが、日本テレビHDが2014年に日本事業を譲受した、定額制ビデオ・オン・デマンドサービス「hulu」でのジブリ作品の配信だ。ジブリ作品の大半は、国内でネット配信されていない。ディズニー傘下の米ルーカスフィルムと共同制作した短編アニメ「禅 グローグーとマックロクロスケ」が「Disney+」で配信されているだけだ。
「Netflix」はジブリ作品を配信しているが、日本では視聴できない。つまりhuluで配信できれば、国内では初めてジブリ制作の長編アニメをネット視聴できるようになる。圧倒的なブランド力を持つジブリ作品を独占配信することでhuluの国内契約数が急増するのは間違いなく、それによる親会社・日本テレビHDの収益増が期待される。
長編ジブリ作品の多くは製作委員会方式で制作されているが、委員会に参加している主要企業もジブリにマイノリティー出資している可能性がある。ネット配信でジブリが潤えば配当などによる収益増が見込まれるため、反対意見は少ないだろう。新潮社と原作者の野坂昭如氏が著作権を持つ「火垂るの墓」を除けば、ネット配信は可能だ。
海洋土木大手の東洋建設と任天堂創業家の資産運用会社「ヤマウチ・ナンバーテン・ファミリー・オフィス(YFO)」の買収をめぐる攻防戦が新局面を迎えた。