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【M&Aインサイト】補欠監査役制度とは

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3.補欠監査役の立場・身分

「補欠監査役」は、監査役に就任するまでは会社の機関を構成するものではないため、特別の立場、身分を有するものではありません。したがって、他の会社の監査役や取締役に就任していたとしても何ら差控えありません。
しかし、監査役の定員数が欠けたときは監査役に就任することを承諾しているので委任契約の予約に準じた地位にあると考えられます。

「補欠監査役」は「監査役」に就任するまでは監査役業務を行う訳ではありませんが、待機することになります。
そのような待機中の補欠監査役に報酬や手当等を支払うか否かは会社と補欠監査役との合意事項になるようです。ただし、待機中ではありますが、一定限度で拘束する結果となるため合理的な範囲内で報酬や手当を支給している会社が多いようです。

「補欠監査役」は会社の機関でないため、監査役会や取締役会に出席する権限はありません。同様に監査役監査業務への立会や往査への同行についても権限がありません。
しかし、「補欠監査役」は将来監査役に就任する可能性がありますので、監査役や取締役全員の承諾があれば、監査役会や取締役会への出席、監査役監査業務への立会や往査への同行も認められます。
その場合、「補欠監査役」に守秘義務を課す必要があるほか、「補欠監査役」が関与したことで特別の不祥事が生じた場合には、承諾した監査役や取締役が監督責任をおうこととなります。

以上のように、補欠監査役制度は一種の保険のような制度ですが、検討してみてはどうでしょうか。

文:株式会社ビズサプリ メルマガバックナンバー(vol.051 2017.4.19)より転載

執筆者紹介 庄村 裕

株式会社ビズサプリ パートナー  会社概要はこちらから http://biz-suppli.com/

職歴: 1997年10月より監査法人トーマツ(現有限責任監査法人トーマツ)に入所。監査部門にて7年間、多様な業種(製造業、商社、小売業、学校法人、商品先物証券業等)における財務諸表監査(日本基準、USGAAP等)を経験する。その他、株式公開支援、財務デューデリジェンスや英文財務諸表作成等にも従事する。その後、エンタープライズリスクサービス部にて3年間、内部統制(米国、日本)の構築評価支援業務、内部監査評価業務、リスクマネジメント強化業務等に従事。2007年9月より独立し、内部統制構築評価支援、株式公開支援、IFRS国際財務報告基準)導入支援、内部監査アウトソーシング、会計監査、税務等に従事。現在に至る。 資格:公認会計士、税理士、公認内部監査人(CIA) 役員等:庄村公認会計士・税理士事務所 所長、株式会社グローアップ 代表社員、株式会社オートウェーブ(JASDAQ上場) 監査役 著書:会計が分かる事典(共著、日本実業出版社)、会社のカネ回り&コスト改善(すばる舎)

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