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【現場の声】ナチュラルチーズメーカーのパイオニア、アトリエ・ド・フロマージュトップが語る。業績好調の中大手食品メーカーに譲渡された経緯とは?

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※アトリエ・ド・フロマージュ会長の松岡 容子 氏とチーズ

M&A後は大手企業の下で複数の企画を実行
6月には軽井沢に新店舗がオープン

お相手の決め手、ポイントは何だったのでしょうか?

 いくつかの要素がありますが、1つ目は経済的な条件です。2つ目は、うちの会社を認めてくれたこと。アトリエの特性や、私たちが一生懸命に考え取り組んできたことをくみ取ってくれまして、それは社長として涙が出るほどうれしかったですね。3つ目は会社の性質が似ていること。アトリエはテレビや雑誌で取り上げられますが、水面下はとても地味です。買収してくれた大手食品メーカーもすごく堅実で地味な印象があって、私はそういう体質がとても好きだったので、そこも共感しました。ただ、買収企業はその堅実すぎる部分を変えたくて、アトリエには自分たちにない文化や本物がある、と高評価を下さったのだと思います。

 今は買収企業が5年計画、10年計画というスパンで考え、東京・南青山の店を改築し、軽井沢に新店舗(軽井沢発地市庭店、2016 年6月オープン)をつくり、1億円を超える新工房を現在の工房横に建築中です。やはり大手企業は、資金だけではなく人材面もそろっているので、新しい企画を3つ一緒にできるのですね。これまでだったら全部自分でやらなければなりませんから、やりたいことの取捨選択をしなければならなかった。大手企業の下だと中小企業の限界を解決できると感じています。

今後の過ごし方について教えてください。

 私もそうですが、病気で先に引退した主人も、会社の不安がないので肩の荷が下りたせいか、「若返ったね」と言われます。今は1年を過ぎて取締役は辞退致しましたが、会長として、創業者としてアトリエをずっと応援していきたいという気持ちでいます。地域の活動にもかかわっていき、NPO法人化を考えています。

本日はありがとうございました。

お話:アトリエ・ド・フロマージュ 会長 松岡 容子 氏
M&A情報誌「SMART」より、2016年7月号の記事を基に再構成
まとめ:M&A Online編集部

M&A Online編集部

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