日本の上場市場はどうだろうか。
日本では、証券クラスアクション制度はなく、「訴訟リスク」は極めて少ない。近年、「株主提案対応コスト」や「アクティビストのターゲットとなるリスク」は上昇しているものの、米国との比ではない。また、「事業会社やPEファンド等によるM&A」提案も決して多いとはいえない。
すなわち、「マーケットの自浄作用」が機能しているとはいえないかもしれない...
東京証券取引所によるPBR(株価純資産倍率)1倍割れ企業に対する資本効率の改善要請以降、自己株買いの実施を公表する企業が相次いでいる。大日本印刷グループは発行済み株式数の15%に当たる1,000億円が上限の自己株買いを実施する。
今年の総会はアクティビスト株主による提案が増加した。わが国は、株主が取締役会に大きく権限を委譲する「取締役優位モデル」である米国と異なり、株主の権限が強い「株主優位モデル」であるため、株主提案の役割は大きい。