最も重要なのは、中間選挙が2年後の大統領選挙の風向きを変えることだ。今回の中間選挙でバイデン大統領が求心力を維持できれば、再選に向かって弾みがつく。一方、復活を狙い中間選挙の応援演説に飛び回った共和党のトランプ前大統領にとっては、期待されていた「大勝」が予想外の「辛勝」となれば次期大統領候補としての存在感が弱まる。
共和党支持者から「旬が過ぎた」と見なされれば、党の大統領候補を決める予備選挙で苦戦することになりそうだ。米CNNは「トランプ前大統領が共和党候補の結果に失望し、誰彼となく怒鳴りつけている」と伝えた。
中間選挙の評価次第では「トランプ旋風」が尻すぼみになるかもしれない。保守派中間層から根強い人気があるトランプ前大統領が次回の大統領候補にならないとしたら、「トランプ旋風」が吹き荒れた共和党で有力な候補者を見つけるのは困難だろう。
共和党では中間選挙で再選された44歳のロン・デサンティスフロリダ州知事が大統領候補として注目されているが、一筋縄ではいかない。トランプ前大統領はデサンティス知事が次回の大統領選に出馬を表明したら、同知事の打撃となりかねない情報を暴露すると牽制しているからだ。ポスト・トランプの候補者選びは難航するだろう。
一方、民主党にとってはバイデン大統領が再選を目指しても、あるいは別の候補が出馬しても有利に運ぶことになる。今回の評価は中間選挙の結果と言うよりも、2年後の大統領選挙の行方を占う上での「善戦」と解釈した方が正確だろう。
文:M&A Online編集部
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