「震災」関連の倒産企業の従業員被害者数は、2018年2月28日現在で2万8,597人に達した。
1995年の「阪神・淡路大震災」時は4,403人(3年間で集計終了)で、単純比較で約6.5倍に膨らんだ。都道府県別では、東京都が9,167人(構成比32.0%)で全体の約3分の1を占めた。次いで、宮城県2,233人(同7.8%)、北海道1,426人(同4.9%)、大阪府1,265人(同4.4%)、栃木県1,216人、神奈川県1,081人、福岡県1,003人と7都道府県で1,000人を超えた。
また、震災で甚大な被害を受けた岩手県、宮城県、福島県の被災3県の合計は3,907人(構成比13.6%)にのぼった。なお、倒産企業の従業員数は正社員のみで、パート・アルバイトなどを含んでいないため、倒産企業の実際上の従業員数はさらに膨らんでいるとみられる。
都道府県別では、島根県を除く46都道府県で関連倒産が発生した。1995年の「阪神・淡路大震災」時では23都府県だったのと比べて2倍に広がった。津波の被害が東北沿岸部から太平洋側の広範囲に及んだため、被害の甚大さも重なって影響が全国規模に拡大した。
都道府県別の倒産件数のうち「震災」関連倒産の占める構成比(2018年1月までの累計)では、宮城県が27.1%で最も高かった。次いで、岩手県22.8%、福島県18.6%、山形県11.7%、青森県が9.2%と、直接被災した東北地区が上位を占めている。
全国合計の年別構成比では、2011年が5.0%、12年4.0%、13年3.0%、14年1.8%、15年1.6%、16年1.1%、17年0.8%と低下を続け、収束傾向をみせている。地区別のうち、東北は2011年に23.5%と約4社に1社を占めたが、12年21.5%、13年21.5%、14年14.1%、15年12.8%、16年9.7%、17年9.2%と推移してきた。ただし、2018年1月までの累計の構成比は16.2%を占め、全国構成比(2.6%)を大きく上回り、東北地区では震災の影響が甚大だったことを裏打ちした。
産業別では、宿泊業、飲食店などを含む「サービス業他」が492件(構成比26.4)で最多。
次いで「製造業」が422件(同22.7%)、「卸売業」が342件(同18.4%)、「建設業」が222件(同11.9%)、「小売業」が174件(同9.3%)と続く。「サービス業他」が多かったのは、被害の規模が大きく、広範囲な業種に影響が及んだことを反映した。
各年別でみると、震災直後の2011年と2012年は、サプライチェーンの寸断、工場の被災などを背景に「製造業」が最も多かったが、2013年以降は、飲食業や宿泊業などを含む「サービス業他」の全体の割合が高くなった。また、従来の顧客先の喪失や縮小を強いられた「卸売業」も構成比を広げた。こうしたなか2017年は、食料品製造業を中心に製造業の増加が目立った。
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