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連結子会社ができたら財務諸表はこう変わる しっかり学ぶM&A基礎講座(55)

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退職給付引当金」という名前にも変化が

会計処理の中には連結財務諸表にだけ適用されるものもあります。たとえば、退職給付会計における一部の処理がそれにあたります。企業が負担する将来の年金や一時金などの退職給付が「退職給付引当金」として計上されていることをご存知かもしれません。

実は、連結財務諸表においては「退職給付引当金」という勘定科目ではなく、「退職給付に係る負債」という勘定科目で計上されています。これは単に名称が異なるだけではなく、適用されている処理が異なるため、その内容の違いを表しているものなのです。

具体的な処理は会計のテクニカルな話になるため割愛させていただきますが、個別財務諸表ではオフバランス(貸借対照表に反映されていない)の未認識項目があるのに対して、連結財務諸表ではそうした項目も反映して負債に計上されています。これが個別財務諸表では「退職給付引当金」と呼ばれる一方、連結財務諸表では「退職給付に係る負債」と呼ばれる所以です。

以上のように、連結財務諸表においては、開示の様式にかかるものから実質的な会計処理に至るまで単体の財務諸表とは異なる対応が必要とされます。今後、連結財務諸表を閲覧される機会があれば、これらの点も意識してみてはいかがでしょう。

文:北川ワタル

北川 ワタル

経歴:2001年、公認会計士2次試験合格後、監査法人トーマツ(現有限責任監査法人トーマツ)、太陽監査法人(現太陽有限責任監査法人)にて金融商品取引法監査、会社法監査に従事。上場企業の監査の他、リファーラル業務、IFRSアドバイザリー、IPO(株式公開)支援、学校法人監査、デューデリジェンス、金融機関監査等を経験。マネージャー及び主査として各フィールドワークを指揮するとともに、顧客セミナー、内部研修等の講師 、ニュースレター、書籍等の執筆にも従事した。2012年、株式会社ダーチャコンセプトを設立し独立。2013年、経営革新等支援機関認定、税理士登録。スタートアップの支援からグループ会社の連結納税、国際税務アドバイザリーまで財務会計・税務を中心とした幅広いサービスを提供。

学歴:武蔵野美術大学造形学部通信教育課程中退、同志社大学法学部政治学科中退、大阪府立天王寺高等学校卒業(高44期)

出版物:『重要項目ピックアップ 固定資産の会計・税務完全ガイド』税務経理協会(分担執筆)、『図解 最新 税金のしくみと手続きがわかる事典』三修社(監修)、『最新 アパート・マンション・民泊 経営をめぐる法律と税務』三修社(監修)など

北川ワタル事務所・株式会社ダーチャコンセプトのウェブサイトはこちら


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