耐用年数はどのように考えればよいのか

固定資産の価額については上記のように決定される訳ですが、M&Aで固定資産を受け入れる場合、すでに対象会社で固定資産が使用されているので耐用年数をどのように考えるのかが問題となります。

耐用年数は、会計理論上は将来使用される期間を見積もって決定されるべきものです。しかし、実務上は法人税法上の法定耐用年数を用いるのが一般的です。法定耐用年数は固定資産の種類に応じて詳細に定められています。

それに加え、中古資産を取得した場合の耐用年数の計算方法も示されています。つまり、M&A(吸収合併事業譲渡など)で固定資産を受け入れた場合にはこの中古資産の耐用年数の特例に従えば良いということになります。

①経過年数≦法定耐用年数の場合

中古資産の耐用年数=法定耐用年数-経過年数+経過年数×20%(1年未満切捨、最低2年)

②経過年数>法定耐用年数の場合

中古資産の耐用年数=法定耐用年数×20%(1年未満切捨、最低2年)

例えば、法定耐用年数が30年、経過年数が10年の中古資産の耐用年数は22年(=30年-10年+10年×20%)と計算されます。中古資産によっては、購入した年度とその翌年度の2年間で費用化が完了するケースもあります。

M&A後の利益計画に反映させる

M&Aを実施して、のれんが計上された場合には、将来にわたってのれんの償却費が発生します。のれんは無形固定資産に分類されるため、広くは固定資産の仲間といえます。

のれんの償却費は利益の押し下げ要因になると言われます。これと合わせて、今回ご紹介した有形固定資産の償却費についても、どの程度発生するのかをシミュレーションした上で利益計画に反映させることが有用となるケースもあるでしょう。

文:北川ワタル(公認会計士・税理士)