日本の近代化、工業化、経済発展の歴史は、M&Aの歴史でもあった。このコーナーでは、日本経営史全体に大きなインパクトを与えた企業合併や企業買収を全12回にわたり振り返ってゆく。第5回で取り上げるのは、「日本製鉄の誕生」である。
王子製紙、富士製紙、樺太工業の3製紙会社が合併して新王子製紙が誕生した翌年にあたる1934(昭和9)年の1月、さらなる大型合併が世間の耳目を集めた...
1933年5月、三大製紙会社が合併して、新たに王子製紙が発足した。この合併は、大企業の時代到来を告げるものであり、製紙産業史だけでなく日本経営史全体にとっても大きな衝撃を与える出来事であった。