スマホユーザーの大半は月間データ使用量が1〜3GB前後といわれる。だから「格安スマホ」と呼ばれるMVNO(仮想移動体通信事業者)は、このあたりの料金を低く抑えている。つまり平均的な格安スマホユーザーにとっては、ahamoといえど料金面でのメリットが小さい。
例えばMVNO大手の日本通信<9424>が提供する「990ジャストフィットSIM」の月額料金は通信容量1GBで990円、3GBでも1290円と、ahamoの半額以下だ。
IIJとmineoもドコモ回線の場合、音声通話とSMS(ショートメッセージサービス)が可能なプランで月額料金は3GBが1600円。音声通話とSMSを利用しないデータ通信専用SIMなら、両社とも3GBが900円で済む。
こうした平均的なデータ容量しか使わない格安スマホユーザーにとっては、20GBというahamoの通信容量は「宝の持ち腐れ」となる。低料金のMVNO契約を続ける方が得策だ。
すでにahamoの先行予約は始まっているが、au(KDDI)<9433>やソフトバンク<9434>、楽天モバイルなど競合キャリア(自前の通信網を持つ通信会社)と契約しているユーザーには、しばらくの様子見を強くお勧めする。
キャリアの料金は基本的に横並びで、しかも政府が「キャリアブランドによる値下げ」を強く要請している状況下では必ず追随してくる。最低でもahamoと同等の料金と内容になるはずだ。とりわけ「通信料金の価格破壊」を提唱してきた楽天モバイルは、もっと「お得なプラン」を打ち出す可能性が高い。
ahamoのサービス開始は2021年3月なので来春以降に新規契約や新回線を追加するユーザーも、これら競合キャリアのプランが出そろうサービス開始の直前まで待った方が良いだろう。
文:M&A Online編集部