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相次ぐ老舗名門酒蔵の倒産!「日本酒文化」を守る新手法とは

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事業承継型M&Aで日本酒文化を守る

鷹正宗は9月の「第11回福岡県酒類鑑評会」で、「本格麦焼酎 めちゃうま麦ゴールド」と「本格麦焼酎 こげん」が「福岡県議会議長賞」を受賞するなど気を吐いた。竹下本店は特別清算前の2022年10月に地元財閥の田部(たなべ)が事業を譲受し、「田部竹下酒造」として再出発。富士正酒造も営業を継続しており、静岡県や首都圏で39店舗の「沼津 魚がし鮨」を展開する沓間水産(静岡県裾野市)の支援で経営再建を進める。

酒類の製造には免許が必要で、清酒については輸出用を除いて新規免許の交付が事実上、認められていない。清酒製造に新規参入するには既存酒蔵の買収しかないのが現状だ。そのため近年は酒蔵が倒産しても、再建支援企業が見つかるケースが多い。

国内では消費が伸び悩んでいる日本酒だが、海外では高級酒として高値で取り引きされている。スタートアップのClear(東京都渋谷区)は「日本酒のラグジュアリーブランドをつくる」ことを狙い、高品質の日本酒造りを全国の酒蔵に委託して「SAKE HUNDRED」ブランドとして販売している。

英国の「インターナショナル・ワイン・チャレンジ SAKE部門」、香港の「オリエンタル・サケ・アワード」、フランスの「Kura Master」、米国の「全米日本酒歓評会」といった海外日本酒コンクールで上位の賞を相次いで獲得した。

代表銘柄の「百光」は720mlで3万8500円もの高級酒だが、2024年1月に醸造する新酒は抽選販売するほどの人気を集めている。新しい「日本酒ブランド」づくりのためのオープンイノベーションとも言える酒蔵のM&A。日本酒文化を守る手法として注目されている。経営が厳しい酒蔵経営者にとって、事業承継型M&AというEXIT(出口)は有望な選択肢だろう。

文:M&A Online

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