上場企業による海外M&Aが過去最多のペースで推移している。2024年上期(1~6月)の件数は118件(適時開示ベース)と前年を24件、率にして25.5%上回った。このまま増勢を維持すれば、2年連続で最多を更新する見通しだ。一方、上期の取引金額は3兆6623億円で、前年(1兆9092億円)の1.9倍に膨らんだ。
上場企業に義務づけられた適時開示情報をもとにM&A Onlineが集計したところ、上期のM&A総数は前年比106件増の607件...
2024年6月のM&A件数(適時開示ベース)は89件と前年同月を37件上回り、6月単月では過去10年で最多となった。取引総額は7051億円。コンテンツIPに絡むM&Aが金額上位にランクインしたほか、先月に続き大型物流案件も発生した。
日本企業がかかわる海外M&Aの相手国として米国が断然トップに立つ。件数でこれに次ぐのが中国だ。米国、中国は世界1位、2位の経済大国だけに順当といえるが、M&Aの中身を子細にみると、実は好対照をなす。
2024年1月のM&A件数(適時開示ベース)は99件で前年同月を6件上回る好調な滑り出しとなった。年明け1月として過去10年で最多となった。1000億円超のクロスボーダー案件が複数出たことで、取引総額も1兆円を超えた。
2023年の運輸業界におけるM&Aは件数が前年比29.4%減の24件と2年ぶり、取引総額は同75.6%減の約1737億円と2年ぶりに減少した。それでも2014年以降の10年間では件数、取引総額共には2022年に次ぐ2番目と、好調を持続した。