円安が止まらない。6月26日に1ドル=160円88銭とバブル景気前の1986年12月以来、38年ぶりの安値になった。円安は日本製品の値下がりと外国製品の値上がりにつながる。円安で海外企業の買収が割高となり、日本企業による海外企業の買収は減るのか?
2020年以降の上場企業によるクロスボーダーM&A(売り手または買い手が外国企業のM&A)では、円安が進んだにもかかわらず日本企業による海外企業の「買収」が増えている...
2024年の上場企業によるMBO(経営陣による買収)は早くも10件(届け出ベース)に達し、5年連続で2ケタに乗せた。このままいけば、過去最多だった2011年21件を13年ぶりに更新する可能性がある。何が経営者をMBOに駆り立てているのか。
上場企業の海外M&Aが好調に推移中だ。2024年第1四半期の件数は60件(適時開示ベース)で、前年を6件上回った。前年の海外M&Aはアフターコロナの到来を追い風に年間216件と7年ぶりに200件台に乗せたが、今年も増勢を保っている。
2023年のM&A件数(適時開示ベース)は1068件と前年を119件上回り、16年ぶりに1000の大台に乗せるエポックとなった。その主役である上場企業の数は3900社を超えるが、年間を通じて最も多くのM&Aを手がけたのはどこだったのか。
2023年の製造業におけるM&Aは件数が前年比11%増の240件で3年連続の増加となった。一方、取引総額は同約3倍の約8兆6199億円(前年は約2兆9070億円)と3年ぶりの増加となった。M&A市場が成長する中、件数は過去10年間で最多に。