数あるビジネス書や経済小説の中から編集部おすすめの1冊をピックアップ。M&Aに関するものはもちろん、日々の仕事術や経済ニュースを読み解く知識や教養として役立つ本も紹介する。
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「M&Aアドバイザーが新入社員に教えること」栗原弘行、塚田壮一朗著・クロスメディア・パブリッシング刊
M&Aアドバイザーは法人の命を預かる仕事である。経営者は自身や家族、社員、社員の家族らの人生を背負ってM&Aという英断を下すため、アドバイザーにミスは許されない。
このため情報収集力、論理力、計画力、想像力、財務の知識、相手の心を開くスキル、あきらめない力、人の気持ちを理解する力など多くの能力が必要となる。
本書はこうしたM&Aアドバイザーに求められる力を新入社員向けにまとめたもので、こうした力を身に付ければM&Aアドバイザーはもちろん「どこに行っても通用する人材になれる」と2人の著者(大手M&A仲介会社などを経て、M&Aを支援するNEWOLDCAPITALを共同創業)は強調する。

出だしは著者の一人の実体験を基にした、あるM&Aアドバイザーの失敗の物語から始まる。特別な事例ではなく多くのアドバイザーが似たような経験をしているという。
内容は、ほぼ決りかけていたM&Aの案件が最終契約の直前になって、売り手企業の経営者の心変わりによって破談したというもので、心変わりの兆候があったにもかかわらず、見逃してしまったのがミスにつながった。
この失敗を踏まえたうえで、アドバイザーの仕事とはどんなものなのか。アドバイザーに必要な知識は何なのか。心変わりする経営者とどう向き合うのか-といった内容に進んでいく。
第1章の「M&Aアドバイザーの仕事とは」ではアドバイザーの大義とは何なのか。アドバイザーの責任と喜びなどを取り上げ、第2章の「ビジネスを理解する力」では対象企業の業界の全体像や対象企業の競合分析の必要性に言及。
第3章の「相手の心を開く力」では経営者の本音を引き出す方法、第4章の「企業の価値を知る力」では決算書の基本や企業価値の算出方法を、第5章の「戦略を立てる力」では事業計画の作り方などについて解説。
第6章の「人を巻き込む力」では信頼される人材になるための方法について、第7章の「実現させる力」では経営者の不安の受け止め方などについて、実際に行ってきた対処方法などを披露している。
M&Aのプロセスでは正解がないため経験則からしか学べない。本書には至るところにノウハウがちりばめられている。著者らは「本書の内容を身に付ければ、経営者と同じ視座に立つことができる」と言い切る。新入社員でなくても役に立つノウハウはありそうだ。(2023年4月発売)
文:M&A Online
「M&A経営論 ビジネスモデル革新の成功法則」は、V字回復を果たした学研ホールディングス代表取締役社長の宮原博昭氏による「日本型M&Aのすすめ」を説いた本である。
「グローバル(企業の)グループ経営」に携わる層をターゲットにした一冊。クロスボーダーM&Aに注目し、M&AやPMIの勘所を整理しまとめた。
14年間で17社を友好的に統合し、その2年後には2倍以上の規模を持つ同業者と経営統合した経験を、幅広い産業分野に適用できるように、多くのノウハウを盛り込んで書き上げたのが本書だ。
「いきなり事業承継成功読本」は、事業承継を成功させるために経営者が何をすればよいのか、準備不足で失敗しないためにはどうしたらよいかを解説した本である。
2022年に出版されたM&A関連や事業承継をテーマにした書籍をまとめました。
数あるビジネス書や経済小説の中から、M&A Online編集部がおすすめの1冊をピックアップ。今回取り上げたのは「アライアンス思考 CVSによるスタートアップとの提携」(冨田賢著、日本ビジネス出版)。
「ただ廃業することは、無責任。最後まで、責任を持って廃業しませんか」。著者は中小企業の経営者に、こう呼びかける。その責任ある廃業とはM&Aだという。
本書はコーポレートガバナンスについてのエッセイ(気軽に自分の意見をまとめた文章)集である。
一口5億円や10億円といった大口投資を対象とプラしていたイベート・エクイティ(PE)ファンドが、大きく変わろうとしている。個人投資家による小口の投資が可能になりつつあるのだ。
M&A Online編集部が今回取り上げるのは「新釈 成功するM&Aの進め方」(坪井孝太著、ダイヤモンド社刊)。中規模以上のM&Aをシームレスに進め、成功に導くための要諦を解説した一冊。
経営破綻した太平洋クラブの社長に就任した、マルハン創業者子息の韓俊氏が、どのように名門ゴルフ場を再建していったが綴られているのが本書。グリーンキーパーやキャディユーチューバーらの声も収録している。