ミネベアグループ・ミツミ電機「統合に伴う取引先」調査

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産業別1次取引先 仕入先・販売先ともに製造業が大半を占める

 ミネベアグループの1次仕入先は409社。外注先が多く占める製造業が271社(構成比66.2%)と最多。以下、卸売業80社(同19.5%)、情報 通信業16社(同3.9%)、建設業14社(同3.4%)、サービス業他13社(同3.1%)の順。一方、1次販売先は119社で、製造品の納入先である 製造業が60社(同50.4%)と最も多く、2番目の卸売業52社(同43.7%)と合わせて全体の9割を占めた。

 ミツミ電機の1次仕入先は299社。ミネベアと同様に最多は製造業181社(同60.5%)。次いで、卸売業65社(同21.7%)、サービス業他20 社(同6.6%)、情報通信業16社(同5.3%)の順。一方、1次販売先は58社で、製造業が37社(同63.7%)と全体の6割を占めた。

業種別1次取引先 仕入先で特徴が表れた

 業種別では、1次仕入先はミネベアグループが電気機械器具卸売業19社(構成比4.6%)で最多。その他、上位には金属用金型・部分品・附属品製造業 18社、金属工作機械製造業14社などがあり、金属関連の製造業が90社(同22.0%)と多かった。一方、ミツミ電機の1次仕入先は電気機械器具卸売業 が24社(同8.0%)で最多。ただ、他の電子部品・回路・デバイス製造業18社や電子回路基板製造業14社など電子部品関連メーカーが40社(同 13.3%)と多く、両社で仕入先の特徴が表れた。1次販売先はミネベアグループが、その他の産業機械器具卸売業26社や電気機械器具卸売業16社など卸 売業との取引が多く、ミツミ電機は電気機械器具卸売業13社のほか、電子部品や集積回路製造業など製造業との取引が多かった。

地区別1次取引先 両社で地域差

 1次仕入先では、ミネベアグループは関東が242社(構成比59.1%)と最も多く、登記上本社の軽井沢工場や浜松工場がある中部が118社(同 28.8%)と続き、2地区で全体の約9割(構成比88.0%)を占めた。ミツミ電機はミネベアグループ同様に関東が188社(同62.8%)と最多で、 事業所(工場)がある山形や秋田を含む東北が40社(同13.3%)と2番目に多かった。

 1次販売先では、ミネベアグループは関東が67社(同56.3%)と最多で、以下、中部と近畿が各23社(同19.3%)と続く。ミツミ電機は関東が33社(構成比56.9%)と最も多く、次いで中部11社(同18.9%)、東北7社(同12.0%)の順だった。

 両社ともに1次仕入先は関東地区の企業との取引が最も多いが、ミネベアは中部地区、ミツミ機は東北地区と、工場や事業所のある周辺企業との取引比率が高く、特色が出た。

2次取引先 2社合計で仕入先2,780社、販売先1,202社

 ミネベアグループの2次仕入先(間接仕入先)は1,573社。地区別では関東が890社(構成比56.5%)、産業別では製造業850社(同 54.0%)が最も多かった。2次販売先(間接販売先)は764社で、地区別では関東が415社(同54.3%)、産業別では製造業が490社(同 64.1%)と最多。

 ミツミ電機の2次仕入先は1,207社。地区別では関東が778社(同64.4%)、産業別では製造業が648社(同53.6%)と最も多かった。2次販売先は438社で、地区別では関東が292社(同66.6%)、産業別では製造業が254社(同57.9%)と最多。

 両社ともに、2次仕入先・販売先ともに関東が大半を占めた。

両社と取引のある企業 1次仕入先の重複は12社と僅少

 ミネベアグループとミツミ電機の2社と取引をしている企業(重複)は1次仕入先が12社、2次仕入先が279社だった。ミネベアグループの1次仕入先が409社、ミツミ電機が同299社で合計708社あり、1次仕入先の重複は僅少だった。

 一方、1次販売先の重複は1社のみで、2次販売先は86社にとどまった。仕入先・販売先ともに重複している企業が少ないことが大きな特徴として表れた。

まとめ

 ミネベアは専門性の高い人材を必要とし、ミツミ電機は既存事業の規模拡大や新規事業への経営資源の配分不足が課題となっていた。経営統合により、工場の 相互活用や生産拠点の最適化を進めるほか、異種がタッグを組むことによる新たな製品の供給を目指し、総合部品メーカーとして製品の領域を拡げていくことに なる。

 経営統合による技術革新で、取引先への技術的な要求が高まることも予想される。統合後には、取引先同士の技術やコスト面などの競争も激しくなっていくとみられるが、取引先の重複が少なく取引枠拡大のチャンスも拡がる可能性がある。

2016年1月15日東京商工リサーチ「データを読む」より

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