好調を維持している国内の映画興行。しかし、米脚本家組合(WGA)と全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)のストライキの影響が見え隠れしており、少しずつハリウッド作品の日本での公開やキャンペーンに支障が出てきそうです。一方で、邦画は特段トラブルもなく公開されています。
9月も話題作が続々と公開を控えています。公開日順におすすめの5作品を紹介します。
ディズニーリゾートの人気アトラクション“ホーンテッドマンション”が実写映画化。ある親子が破格の条件で豪華すぎるマイホームを手に入れますが、そこはなんと999人のゴーストが憑いている“呪われた館”でした…。
ジャスティン・シミエン監督は、米カリフォルニアのディズニーランドでキャストとして働いていた経験を持ち、アトラクションに対する思いが深いことが作品からも伝わります。
オーウェン・ウィルソン、ダニー・デヴィートらのベテラン勢に加え、オスカー俳優のジェイミー・リー・カーティス、ジャレッド・レトなどが豪華な面々が揃いました。
ディズニー好きには必見の作品です。
ホーンテッドマンション (2023)|映画|ディズニー公式 (disney.co.jp)
1985年から「週刊少年ジャンプ」で連載され、その後アニメシリーズも作られてきた北条司の同題コミックの長編映画最新作。
裏社会ナンバーワンのスィーパー(=始末屋)“シティーハンター”こと冴羽獠が、かつての相棒を死に追いやった闇のテクノロジー“エンジェルダスト”をめぐる戦いに挑んでいき、冴羽獠の育ての親・海原神と対峙することになります。
TM NETWORKの代表曲となったおなじみの主題歌「Get Wild」も健在です。
「劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)」公式サイト | 9月8日(金)公開 (cityhunter-movie.com)
菅田将暉主演で、フジテレビ月9枠で放映された同題ドラマの劇場版。原作は田村由美によるベストセラーコミックで、現在も連載が続いていますが、映画ではその原作の中で“広島編”と呼ばれる、ある一族の遺産相続に関わる事件を描きます。
ドラマのレギュラー陣に加えて柴咲コウ、町田啓太、萩原利久、原菜乃華、松下洸平、鈴木保奈美、松坂慶子、松嶋菜々子など豪華な面々が出演します。ある意味、映画版もドラマシリーズと同じ世界観ですので、原作ファンも安心して楽しめると思います。
映画『ミステリと言う勿れ』公式サイト (not-mystery-movie.jp)
キアヌ・リーヴス主演のアクションシリーズの最新作。今回もキレっキレのアクションが全編に展開されます。香港のアクションスターのドニー・イェンや日本からは真田広之とリナ・サワヤマが出演。映画前半の舞台は何と日本・大阪です。
169分という長尺の上映時間ですが、多種多様なアクションと世界中を渡り歩く展開で、あっという間に駆け抜けた感があります。コンセクエンス(Consequence)は直訳すると結果とか成り行きという意味ですが、邦題のコンセクエンスは”報い”という意味だそうです。
映画『ジョン・ウィック:コンセクエンス』オフィシャルサイト (johnwick.jp)
かわぐちかいじ原作の同題コミックを映画化した大作。最新鋭潜水艦“シーバット”の艦長の海江田四郎は独立戦闘国家“やまと”の建国を宣言します。
大沢たかお、玉木宏、上戸彩、ユースケ・サンタマリア、中村倫也、江口洋介など隅々まで豪華な名前が並びます。大沢たかおはプロデューサーも兼任しています。
B‘zとAdoが組んだ主題歌「DIGNITY」が場面を盛り上げます。
映画『沈黙の艦隊』公式サイト|2023年9月29日(金)全国劇場公開! (silent-service.jp)
これらの作品以外にも、山田洋二監督最新作で吉永小百合と大泉洋が共演する『こんにちは、母さん』、橋本環奈主演の『禁じられた遊び』、「名探偵エルキュール・ポアロシリーズ」の第3弾となる『名探偵ポワロ:ベネチアの亡霊』、同名ゲームからインスパイアされた『グランツーリスモ』、原田眞人監督の新作『BAD LANDS バッド・ランズ』などの公開が控えています。
今月もバラエティ豊かな作品が揃っていますので、映画館に足を運んでみてください。
文:村松健太郎(映画文筆屋)