日本の近代化、工業化、経済発展の歴史は、M&Aの歴史でもあった。このコーナーでは、日本経営史全体に大きなインパクトを与えた企業合併や企業買収を全12回にわたり振り返ってゆく。第8回で取り上げるのは、「三菱重工業の再登場」である。
1954(昭和29)年の三菱商事の再統合、1959年の三井物産の再統合に続く、1964年6月の三菱三重工(三菱日本重工・新三菱重工・三菱造船)合併による三菱重工業の再登場は、「財閥の復活」として、国内外に大きな反響を呼んだ...
終戦後、GHQは徹底的な財閥解体を命令し、三菱商事と三井物産はそれぞれ200社前後の小商社に分割された。それから7年後の1954年、三菱商事は再統合を達成。さらに5年後の1959年に三井物産の再統合が実現した。