日本の近代化、工業化、経済発展の歴史は、M&Aの歴史でもあった。このコーナーでは、日本経営史全体に大きなインパクトを与えた企業合併や企業買収を全12回にわたり振り返ってゆく。第6回で取り上げるのは、「最初の大銀行間合併」である。
1933(昭和8)年12月、第三十四、山口、鴻池の3銀行の合併により、三和銀行が設立された。第三十四、山口、鴻池の3行は、住友、野村の2行とともに、大阪に本店を置く有力銀行として「安定的な地位を占め、昭和金融恐慌も乗り越えたが、次第に5大銀行との資金量の差が開いた...