日本の近代化、工業化、経済発展の歴史は、M&Aの歴史でもあった。このコーナーでは、日本経営史全体に大きなインパクトを与えた企業合併や企業買収を全12回にわたり振り返ってゆく。最終回で取り上げるのは、「ENEOSと出光昭和シェルの発足―「待ったなし」のエネルギー業界再編」である。
20世紀から21世紀への転換点に前後して、日本における典型的な規制産業とされてきたエネルギー業界にも、規制緩和と自由化の波が押し寄せることになった...
「失われた十年」と呼ばれた90年代における日本の経済危機の直接的な要因が、事業会社からみれば債務の累積、銀行側からみれば不良債権の累積にあったことはよく知られている。金融改革で日本は、ユニヴァーサルバンクではなくメガバンク路線を選択した。
日本の近代化、工業化、経済発展の歴史は、M&Aの歴史でもあった。1914~18年の第一次世界大戦は、日本経済のあり方を大きく変え、都市化と電化が急速に進展した。その電化の担い手となったのが、活発な水平統合で集約された「五大電力」である。