日本の近代化、工業化、経済発展の歴史は、M&Aの歴史でもあった。このコーナーでは、日本経営史全体に大きなインパクトを与えた企業合併や企業買収を全12回にわたり振り返ってゆく。第9回で取り上げるのは、「戦後の大型合併ー新日本製鉄の発足」である。
第二次世界大戦後の日本における大型合併について語るとき、多くの人々の頭にまず浮かぶのは、1970(昭和45)年の八幡製鉄と富士製鉄との合併による新日本製鉄(新日鉄)の発足であろう...
1964年6月、三菱三重工(三菱日本重工・新三菱重工・三菱造船)合併による三菱重工業の復活は、「財閥の復活」として国内外に大きな反響を呼んだ。統合には、三菱三重工間の競合や重複投資を除去するというねらいがあった。