事業承継や相続の準備は早いにこしたことはありません。

 このような事態になることを防ぐためにも、オーナー経営者は早い段階で方向性を示したり意思決定をしたりしておくことが大切です。たとえば遺言書を作成するのも一つの方法でしょう。60代の元気な人にとって、自分がいなくなった後のことを考えるのは気が進まないかもしれません。しかし、家族にとって「お父さんが死んだら」といった話を本人に切り出すのは難しいものです。また、事業承継はオーナー経営者の意思そのものです。やはり、オーナー経営者が自ら決めなければならないことです。
 
 準備は早いにこしたことはありません。大企業では経営者にも定年がありますが、オーナー企業の場合そうした節目がないため、事業承継や相続の準備もせず、いつまでもずるずると仕事を続けてしまいがちです。家族や後継者候補とともに、自分が引退する時期について話し合うことをお勧めします。期限が決まることによって、いつまでに何をしなければいけないかが見えてきます。

回答者:税理士・本郷 尚/編集:M&A Online編集部

■第2回:息子に会社を譲る以外にどんな方法がありますか。
■第3回:相続税を節税するために、利益を減らして自社の株価を下げる対策をしたほうがいい?
■第4回:外部の企業に会社を譲渡するとどのようなメリットがあるのでしょうか。

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